level 5
―――彼らはいつも7人だった。
わずかな時さえ惜しみ、町外れの廃工場に集った。
忘れ去られ、錆と砂埃を胎に積もらせた直方体。
殺風景でありながらどこか情趣さえ漂うのは
かつて満ちていた人の息吹が乾燥し
空間に薄く哀愁を添えているせいだ。
過去の栄華に思いを馳せるように……
見る者の胸を、打つこともある。
若者たちは、しかし異なった所感を抱く。
忘却された世界を、所有者なき領土と受け止める。
老いたものを、若者が受け継ぐ。
世界が連綿と繰り返してきた摂理をなぞり、彼らはたまり場を得た。
家庭でも世間でもない安息の場所。
誰が《聖域》と呼んだ場所。
……世界は偽りと裏切りで満ちている。
人と人は傷つけ合う。どんなに親密でも衝突は避けられない。
しかし。
たとえ接触が傷つけあいだとしても、それは相手が実在することの証拠となる。
だからこそ生身の絆は、かけがえのないものとなるのだということを……
千々に撒かれたパズルのピース。
どうか、優しく配列されますように―――
2024年03月15日 09点03分
