生盾勇成名4
岚之一族吧
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level 4
奴隷の成果
 食事を终えた俺达は店の外に出て、草原に出る。
 道中、ラフタリアは机嫌が良いようで鼻歌を歌っていた。
 が、草原に出るや、怯えた目をして震えだす。
「怯えるな、绝対に魔物からは守ってやるから」
 俺の言叶にやはりラフタリアは首を倾げる。
「ほら、俺は雑鱼にかまれている位じゃ痛くも痒くも无いんだ」
 マントの下に隠していたバルーンを数匹见せるとラフタリアはビクっと惊く。
「痛くない、の?」
「全然」
「そう……」
「行くぞ」
「うん……コホ……」
 咳が気になるが、まあ大丈夫だろう。
 草原で薬草を摘みながら、森の方へ向う。
 お、出てきた出てきた。
 レッドバルーンが3匹、森の茂みから飞んでくる。
 俺はラフタリアが噛まれない様注意しながらレッドバルーンを食いつかせる。
「ほら、さっきやったようにナイフで刺すんだ」
「……うん!」
 几分かやる気を出したラフタリアは势い良く、レッドバルーンを后ろから突き刺した。
 バアン! バアン! バアン!
 この时の戦闘でラフタリアのLvが2に上升した。
 レッドスモールシールドの条件が解放されました。
 レッドスモールシールド
 能力未解放……装备ボーナス、防御力4
 即座に盾を変化させる。
 するとラフタリアは目を丸くさせて盾を见ていた。
「ご主人様は……何なのですか?」
 俺が盾の勇者だと知らないのか。まあ、亜人で奴隷だしな。
「勇者だよ。盾のな」
「勇者ってあの伝说の?」
「知っているのか?」
 ラフタリアはコクリと颔く。
「そうだ、俺は召唤された勇者。他に三人居る中で……一番弱いけどな!」
 俺は自分の手を爪が食い込む程握り、半ば八つ当たりの様な态度を取った。
 あいつ等の颜が头に浮かんできて杀意しか涌かない。
 ラフタリアが怯えた目を见せるので、これ以上は话さなかった。
「とりあえず、今日はこの森で魔物を退治するのが仕事だ。俺が押さえるからお前は刺せ」
「うん……」
 多少驯れてきたのか、ラフタリアは素直に颔いた。
 そうして、森の中を探索しながら出会う敌出会う敌を俺が矢面に立ち、ラフタリアに倒させる戦闘スタイルで进んでいった。
 途中、バルーン以外の敌と初めて遭遇。
 ルーマッシュ。
 白い、动くキノコだった。何か目つきが锐くて、大きさは人の头くらい。
 试しに殴ってみたけど、レッドバルーンと同じ手ごたえ。
 これもラフタリアに倒させた。
 他に色违いのブルーマッシュなる敌とグリーンマッシュが居た。
 マッシュシールドの条件が解放されました。
 ブルーマッシュシールドの条件が解放されました。
 グリーンマッシュシールドの条件が解放されました。
 マッシュシールド
 能力未解放……装备ボーナス、植物鉴定1
 ブルーマッシュシールド
 能力未解放……装备ボーナス、简易调合レシピ1
 グリーンマッシュシールド
 能力未解放……装备ボーナス、见习い调合
 ステータスボーナスでは无く、どれも技能系のボーナスのようだ。
 调合か……薬を卸す时に役立ちそうなスキルだな。
 この日の内にラフタリアのLvが3、俺は5に上がる。
 夕方、草原を歩きつつ、野宿する川辺に歩いていった。
「コホ……」
 ラフタリアは文句を言わずに俺に着いて来る。
 まあ、しばらくはまた金稼ぎに精を出さないとダメだろう。
 川辺に到着した俺は、袋からタオルを取り出してラフタリアに渡し、薪を组み火を付ける。
「とりあえず行水してこい。冻えたら火で体を温めろよ」
「……うん」
 ラフタリアは服を脱ぎ、川に入って行水を始めた。
 俺はその间に钓りを始めて、晩饭の准备を始める。
 その间にもラフタリアにはちゃんと目を向けておく。
 何だかんだでこの辺りはバルーンが沸く、注意しておくに越したことは无い。
 俺は今日の収获物に目を向ける。
 草原产の薬草、结构な量。
 草原では生えていなかった薬草、结构な量。
 バルーン风船、それなり。
 各种マッシュ、それなり。
 解放した盾、4种。
 うん。明らかに効率が违う。
 奴隷を购入して正解だったな。
 そうだ。调合とやらに挑戦してみるか。
 简易レシピを呼び出す。
 其処には俺の持っている薬草で作れる范囲の组み合わせが载っていた。
 机材は……川辺にある板みたいな岩と小石で擦り合わせばどうにかなるだろう。乳钵で作れるレシピに挑戦しよう。
 コツがあるのだろうけど、简易レシピには载ってない。
 ゴリゴリゴリ……。
 薬草を売っている店で店主が调合していた组み合わせを见よう见真似でやってみる。
 ヒール丸薬が出来ました!
 ヒール丸薬 品质 悪い→やや悪い 伤の治疗を早める丸薬、伤口に涂ることで効果を発挥する。
 俺の目の前にそんなアイコンが浮かぶ。
 よし、成功だ。
 盾が反応しているけど、今はまだ吸わせない。
 一応、知らない组み合わせにも挑戦する。
 时々失败して真っ黒なゴミになるが、意外と面白いな。
 パチパチパチ……。
 火が弾ける音が闻こえる。
 见ると行水を终えたラフタリアが焚き火で温まっていた。
「温まったか?」
「うん。コホ……」
 どうも风邪っぽいな。奴隷商も病持ちとか言っていた。
 そういえば……作った薬の中に风邪薬があったな。
 常备薬 品质 やや良い。 軽度の风邪になら効果がある薬。
「ほら、これを饮め」
 軽度って所が気になるが、无いよりマシだ。
「……苦いから、嫌……ぐ……」
 愚かにもワガママを言おうとしてラフタリアは胸に手を当てて苦しむ。
「ほら」
「は、はい」
 震えながらラフタリアは俺が渡した薬を思いっきり饮み込んだ。
「はぁ……はぁ……」
「よしよし、良く饮んだな」
 头を抚でてやるとやはりラフタリアは不思议な表情で俺をぼんやりと见つめる。
 あ、タヌキの耳はふかふかだ。
 *尾の方に目を移すと何をするのか察したのか、頬を染め、触らせないとばかりに*尾を抱き缔めて拒绝された。
「ほら、晩御饭だ」
 俺は焼きあがった鱼をラフタリアに渡し、调合作业に戻る。
 こういう、微妙な作业は昔から好きなんだ。
 日が完全に落ち、焚き火の明かりで调合を続ける。
 ふむ……色々と作れるようで面白いな。
 鱼を食べ终えたラフタリアはウツラウツラと眠そうに火を凝视している。
「寝てもいいぞ」
 俺の指示にラフタリアは首を何度も振る。
 あれか? 寝たくないと駄々を

ねる子供みたいな……て、子供か。
 放っておいても胜手に寝るだろう。
 そういえば、常备薬が少しは効果があったのか? 先ほどから咳が出ていない。
 一频り调合に挑戦し、あらかた出来る薬を调べた。
 内、粗悪品になってしまった物は盾に吸わせて変化させる。
 プチメディシンシールドの条件が解放されました。
 プチポイズンシールドの条件が解放されました。
 プチメディシンシールド
 未解放……装备ボーナス、薬効果上升
 プチポイズンシールド
 未解放……装备ボーナス、毒耐性(小)
 どっちもリーフシールドとマッシュシールドから繋がる盾だ。薬効果上升は良く分からない効果だな。
 俺自身が薬を使って効果があるのか、俺が作った薬の効果が上升するのか。
 まあ、良い。
 今日は収获が多くて助かったのは间违いないのだから。
「いや……助けて……」
 ラフタニアが変な声を上げた。
 见ると眠っているラフタリアがうなされている。
「いやぁあああああああああああああああああああああ!」
 キーンと耳が远くなるのを感じた。
 やばい、声に钓られてバルーンが来るかもしれない。
 急いでラフタリアの元へ行き、口を塞ぐ。
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 それでも漏れる声が大きくて、奴隷商が问题ありと言っていた意味を悟る。
 确かにこれは大変だ。
「落ち着け、落ち着くんだ」
 俺は夜泣きするラフタリアを抱え上げて、あやす。
「いやぁ…………さん。……さん」
 亲を呼んでいるのだろうか、ラフタリアはずっと涙を流して手を前に出して助けを求める。
「大丈夫……大丈夫だから」
 头を抚で、どうにかあやし続ける。
「泣くな。强くなるんだ」
「うう……」
 泣き続けるラフタリアを抱き缔める。
「ガア!」
 そこに声を闻き届けたバルーンが现れた。
「ふ……」
 まったく、こんな时に。
 俺はラフタリアを抱き抱えながら、バルーンに向って走るのだった。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
 チュン……チュン!
「朝か」
 大変な夜だった。
 群で来たバルーンを割り终わった顷、ラフタリアの夜泣きは小さくなったのだけど。少しでも离れると、大声で泣くのだ。
 するとまたバルーンが沸く。
 それでろくすっぽ眠ることも出来なかった。
「ん……」
「おきたか?」
「ひぃ!?」
 俺に抱き抱えられていたのに惊いてラフタリアは大きく目を见开く。
「はぁ……疲れた」
 城门が开くまでまだ少し时间がある。今なら仮眠くらい取れるだろう。
 今日、するのは昨日作った薬の买取额と、摘んだ薬草の代金の差だ。
 薬にして売るよりも薬草の代金の方が高いなら作る必要が无い。
「少し寝るから、朝饭は……鱼の残りで良いか?」
 コクリとラフタリアは颔く。
「じゃ、おやすみ。魔物が来たら起こせ」
 目を开けているのも苦痛の俺は直ぐに眠りの世界に诱われるのだった。
 ラフタリアが何に怯えているのかは分からない。闻くつもりも无い。
 大方、亲に身売りにされたショックか、连れ去られたのだろうな。
 后者でも返す义理は无い。こっちだって高い金を払って奴隷を购入したのだから。
 恨まれたっていい。俺も生きなくてはならない。
 元の世界に帰るための手段を探さなきゃいけないんだ。
2019年01月07日 02点01分 1
level 4
お前の物は俺の物
 日が大分上がった頃、俺の目が覚めるのをラフタリアは待っていた。
「城下町に行くの? コホ」
「ああ」
 また咳が出ている。
 俺は無言で常備薬を渡すと、ラフタリアは渋い顔をしながら薬を飲む。
 それから薬屋に買取を申請する。
「ふむ……品質は悪くありませんね。勇者様は薬学に精通しているので?」
 もはや馴染みの客になっている気もするが、俺は作った薬を見てもらう。
「いや、昨日初めて作った。直接薬草を売るのとどっちが儲かる?」
「難しい塩梅ですな。小回りが利く薬草の方が使いやすいですが、薬も薬で助かる場合も多い」
 ラフタリアを見て渋い顔をする薬屋だが、下手に足元を見たり嘘を付くと見抜かれると理解しているのか素直に話す。
「最近は予言の影響で薬の売れ行きが良いので、今のところですが薬の買取額の方が高いですよ」
「ふむ……」
 失敗した時のリスクと買い取り額、道具を揃えるとなるとどれだけの金額が飛ぶか分からないな。
 でも時代が時代だ。揃えておいて、損は無い。
「なあ、もう使わない道具は無いか?」
「……2週間、薬草を売りに来ている辺りで、言うと思いましたよ」
 薬屋は笑っているのか分からない顔で俺の返答を理解していた。
 今回は授業料という条件で薬草はタダ、薬は買取、中古の機材を譲ってくれた。
 乳鉢のほかにも色々と道具を貰う。
 薬研とか、計量系にフラスコに蒸留器など。
 新品で買ったらそれなりの値になりそうなものまで。
「あくまで倉庫に眠っていた中古品ですから、いつ壊れるか分かりませんよ」
「初心者には良い道具だろ」
 とにかく、これで調合にも挑戦できるようになった。
 後はバルーン風船の処分だけだ。
 買取商人にバルーン風船を買い取って貰う途中。
 横を通り過ぎる子供が目に入る。
 割れたバルーン風船を縫い合わせて風船が売り出されているようだ。子供がバルーンをポンポンとボールのようにして遊んでいる。
 それをラフタリアは羨ましそうな目で見ている。
「なあ、あれって」
「はい?」
 買取商人に子供が持っているボールを指差して尋ねた。
「ええ、バルーン風船の利用先ですが」
「なるほど、買い取り額から差し引いて1個分作ってくれないか?」
「え、まあ……よろしいですが」
 買取商人は売却した物を受け取り売買金額をこちらに寄越す。そしてバルーン風船で作られたボールを1個くれる。
「ほら」
 受け取ったボールを俺はラフタリアに投げ渡した。
 ラフタリアはボールと俺の顔を何度も交互に見て、目を丸くさせる。
「なんだ? いらないのか?」
「う、ううん」
 ラフタリアは首を何度も振って嬉しそうに笑った。
 初めて笑ったな。
「今日の分の仕事が終わったら、遊んでいて良いからな」
「うん!」
 何か元気になって来たようだな。良い傾向だ。
 ラフタリアが元気になって得をするのは俺だからな。
 それから俺達は昨日の森まで歩いていき、採取と魔物退治を繰り返した。
 俺自身の防御力の高さで行ける範囲を拡張する。
 ……森を進んだ先には村があるらしいが、あのクソ女が勧めた道は腹が立つので却下した。
 割りと幸先良く、色々な物が見つかり、余裕がありそうなので山の近くまで範囲を伸ばした。
 お? 見慣れない敵を発見。
 卵みたいな生き物だ。
 生態系的にバルーンの親戚っぽいな。
「初めて戦う魔物だ。俺が先行して様子を見る。大丈夫そうだったら突くんだぞ」
「うん!」
 良い返事だ。
 俺は魔物に向って走り、魔物もこちらに気づいて、牙を向く。
 ガン!
 やっぱりノーダメージ。痛くも痒くも無い。
 そのまま羽交い絞めにしてラフタリアが刺しやすいよう構える。
「たあ!」
 昨日よりも勢いのある突きが魔物を貫く。
 エグッグ
 これが先ほどの敵だった。
 エグッグはパリンと砕け散り、中から黄身を飛び散らせる。
「ぶえ、気持ち悪!」
 これは殻が売れるのか? もったいないなぁ。
 匂いも腐ってるっぽいし、食べるのは無理かな。
 殻は一応盾に吸わせる。
 同様に数匹、エグッグは現れたので手馴れた感じでラフタリアが刺して倒していった。
 エッグシールドの条件が解放されました。
 エッグシールド
 能力未解放……装備ボーナス、調理1
 また技能系のスキルが出た。
 今度は料理か。
 そしてやっぱり色違いの魔物が出て、俺達は狩り続けた。
 ブルーエッグシールドの条件が解放されました。
 スカイエッグシールドの条件が解放されました。
 ブルーエッグシールド
 能力未解放……装備ボーナス、目利き1
 スカイエッグシールド
 能力未解放……装備ボーナス、初級料理レシピ
 なんでこう、技能系ばかり出てくるのかね。
 倒す敵によるのか?
 まあ、その間にも見慣れぬ薬草とか色々と採取して行ってるけど。
 山に入りきるにはちょっと日が暮れそうだ。
 今はまだ、ラフタリアの装備に不安が残る。
 で、本日の収穫。
 俺、Lv8
 ラフタリア Lv7
 くそ。何か追いつかれ始めた。
 倒しているのはラフタリアなのでしょうがないが。
 ぐう……。
「お腹空いた……」
 ラフタリアが困った顔で俺に言う。
「そうだな、帰ったら飯にするか」
 探索を切り上げ、俺達は城下町に引き返した。
 城下町に入ると、調合で使えそうも無いエグッグの殻類を買い取りして貰う。
 昼間に売った分と合わせて銀貨9枚にもなった。
 あの殻に何の使用用途があるのか些か疑問であるが思いのほか高く買い取ってくれたのは幸いだ。
 薬草と薬も良い感じに売れたし、今日は何を食うかな。
 と、思っているとラフタリアが屋台を見て涎を垂らしていた。
 甘やかすつもりはないが値段相応の働きはしている。まあいいだろう。
「今日はそれにするか」
「え? 良いの?」
「食べたいんだろ?」
 俺の問いにラフタリアはコクンと頷く。
 素直になってきたな。
「ケホ……」
 また咳が出てきている。
 無言で常備薬を渡し、屋台で売っているマッシュポテトを固めて串に通したような食べ物を注文した。
「ほら、良く頑張ったな」
 俺が串はを渡すと薬を飲み終えたラフタリアは嬉しそうに受け取り、頬張る。
「ありがとう!」
「お、おう……」
 ……元気になって何よりだ。
 もぐもぐと食い歩きしながら、俺は安宿を探して入る。
「今日はここに泊まるの?」
「ああ」
 ラフタリアの夜泣きで徹夜は勘弁してほしいし、バルーンとの戦いは骨が折れる。
 宿の中に入る。
 店主は俺を見るなり、露骨に顔を歪ませるが、即座に営業スマイルで対応する。
「ちょっと連れが夜泣きするかもしれないが泊めてくれないか?」
 半ば脅しと言わんばかりにマントの中に隠したバルーンをチラつかせる。
「そ、それは――」
「頼めるよな? 出来る限り静かにさせる」
「は、はい」
 この世界に来て、脅迫は商売に必要な要素だと学んだ。
 国の奴等は俺を馬鹿にする対象にしているが、被害が出ても王様に報告しきれないのだ。
 いや、報告していたとしても、泳がすしか出来ないとも言えるのだろう。
 まったく、異世界サマサマだぜ。
 金を払い、一部屋借りて俺達は荷物を降ろした。
 ラフタリアはボールを持って目を輝かせている。
「日が落ちきる前に帰って来いよ。後、なるべく宿の近くで遊べ」
「はーい!」
 まったく、歳相応の子供なんだな。
 亜人は軽蔑の対象らしいが、冒険者扱いなら其処まで問題も起こさないだろう。
 窓から下でボール遊びをしているラフタリアを見つつ、調合の研究をする。
 それから……20分くらい経った頃か。
 子供の大きな声が聞こえてくる。
「亜人がなんで俺達の縄張りで遊んでんだ!」
 なんだ? 窓の外から様子を見る。
 すると、どう見てもクソガキ共がラフタリアに向って喧嘩腰で話しかけている。
 まったく、何処の世の中にもあんなガキは居るもんだな。
「コイツ、良い物持ってるぜ、よこせよ」
「え、あ、その……」
 亜人の立場は低いというのをラフタリアは知っているらしい。変に逆らう気配が無い。
 はぁ……。
 俺は部屋の出て、階段を降りた。
「よこせって言ってるだろ」
「い、いや……」
 弱々しく拒否するラフタリアだが、クソガキ共は暴力によって奪うつもりらしく集団で囲んでいる。
「ちょっと待てクソガキ共」
「何だよ、おっさん」
 ぐ、おっさんだと!
 まあいい、これでも20歳なんだが、この世界の成人年齢は知らない。
 おっさんかもしれんしな。
「他人の物を寄越せとはどういう了見だ?」
「はぁ? そのボールはアンタのじゃないだろ?」
「俺のだ。俺がこの子に貸し与えている。それを奪うという事は俺から奪うという事だ」
「何言ってんだおっさん」
 はぁ……どうやら頭に血が上って理解できて無いみたいだな。
 俺はガキであろうとも容赦はしない。人の物を奪おうとする輩は制裁を加えてやる。
「そうかそうか、じゃあ取っておきのボールをあげよう」
 俺の態度にラフタリアがハッと相手の子供に逃げるように声を絞り出す。
「逃げて!」
 しかしガキ共は舐めた目で俺を見ていた。
 内心ほくそ笑みつつ腕に齧り付いているバルーンを取り出す。
 ガブ!
「いでぇええええええええええええ!」
 ガキにバルーンを噛み付かせて即座に懐に収める。
「さーて、今のボールを本当に、君達にあげようか?」
「いてぇええ!」
「冗談じゃねえよ。ばあか!」
「死ね! あほぅ!」
「知るかクソガキ!」
 逃げていくガキ共に俺は罵倒を吐いて宿に戻る。
「あ、あの……」
 ラフタリアが俺のマントを掴む。
「おい、そこにはバルーンが居るぞ」
 ビクッと手を離して怯えるラフタリアだったが、おずおずと顔を上げて笑った。
「ありがとう」
 何を言ってんだか。
「あ……」
 俺はくしゃくしゃとラフタリアの頭を撫でてから宿に戻った。
2019年01月07日 03点01分 2
level 4
治療薬
 日も落ち、夜も更けた頃、またラフタリアのお腹がなったので、宿に荷物を置いて、近くの飯屋で晩飯を取る。
 さっきのは食前のおやつみたいなものだ。
 ラフタリアは見知らぬ店なので、何が良いのか分からないらしい。
 まあ、財布の中はある程度潤っているし、これからしばらく野宿の予定だ。
 多めに食べさせてやろう。
「えっと、デリアーセットを二人前とナポラータを頼む」
 店員に注文し、メニューが運ばれてきた。
「じゃあ食うぞ」
「うん」
 ラフタリアはやっぱ手づかみでもぐもぐと食べだした。
 10歳くらいと言うと育ち盛りだろう。俺の分までモノ欲しそうにしたので、追加注文する。
「明日から野宿になるから多めに食べて良いぞ」
「はぁぐい!」
 食べるか頷くかどちらかにしろと言いたかったけど、おいしそうに食べるので放っておいた。
 それから、改めて気づいたラフタリアの問題点に付いて部屋に戻ってから処理をする。
「髪がボサボサだな、少し整えるぞ」
「……はい」
 何か不安そうな顔をするラフタリアに俺はポンと頭に手を載せる。
「大丈夫だ。変な髪型にはしない」
 むしろ今の方が変だ。
 ある程度手グシで解いてからナイフで無駄な毛を切る。
 長過ぎの髪を肩くらいで整えてから散髪を終えた。
「よし、これくらいで良いだろ」
 前よりは幾分、見れる髪型になった。
 これで多少は身なりがよく見えるだろう。
 ラフタリアはくるくる回りながら自身の変化に顔を綻ばせている。
 何が嬉しいのやら。
 毛を掃除していると盾が反応する。
 ……。
 気づいていないな。
 すう……。
 ブックを開いて確認。ツリーとLvが足りないと出ている。
「ん?」
 ヤバイ、振り向いた。
「さて、そろそろ寝なさい」
「うん!」
 昨日と違って妙に素直だな。
 まあ、良いだろう。
 叫ぶかもしれない、騒ぐまで調合でもしておこう。
 ……。
 栄養剤が出来ました。
 栄養剤 品質 悪い→やや悪い 疲労回復効果のある薬、他に栄養を急速に補給する効能もある。
 治療薬が出来ました。
 治療薬 品質 やや悪い→普通 病を治療する効果のある薬。重度の病には効果が薄い。
 ふむ……森と山の薬草で色々作れるな。
 確か薬屋だと結構な金額で取引されている品だったはず。
 ただ、材料の消耗は激しい。割りに合うか微妙なラインだ。
 栄養剤が合計6本出来上がり、その他の薬もある程度出揃った。
 ただ、品質が良いものを作るのはやはり難しい、本職には勝てそうに無い。
 そもそも俺は盾の勇者であって薬剤師ではないが。
 ……盾に吸わせておくとしよう。
 カロリーシールドの条件が解放されました。
 エナジーシールドの条件が解放されました。
 エネルギーシールドの条件が解放されました。
 カロリーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、スタミナ上昇(小)
 エナジーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、SP増加(小)
 エネルギーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、スタミナ減退耐性(小)
 一応、ステータス系のボーナスが揃っているか。
 スタミナってなんだ? 体力の事か?
 知らべる必要がありそうだな。
 後は薬草類だけど……いい加減技能系の習得が増えすぎていくなぁ。
 もっと戦闘寄りの技能が欲しい。
 あ、薬草類だけじゃ、まだ解放条件を満たしきれない。
 まあ良いか。
「ん~……」
 背伸びをして、そろそろ寝ようかと考えているとパチッとラフタリアと目が合う。あれは寝てるな。夜泣きの前兆。
「キャ――」
 咄嗟に口を抑えて叫びを消し、ポンポンと抱き抱えながら宥める。
 ふう、今日はどうにか抑えられた。
 このまま放そうとすると叫びだすんだよな。
 しょうがないか。一緒に寝てやろう。
 ……なんか冷たい。
 なんとなく顔に日の光を感じ、目を開く。
 すると、一緒に寝ていたはずのラフタリアが部屋の隅で震えている。
「どうしたんだ?」
「ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!」
 必死に謝罪の言葉を繰り返すラフタリアに俺は眉を寄せ、何故冷たいのか下を見て察した。
 そう……ラフタリアはおねしょをしてしまっていたのだ。
 はぁ……。
 俺が怒ると思っているんだな。
 10歳の子供がおねしょをするかは知らないが、そんな怯えた目をされては怒る訳にもいかないだろう。
 俺はラフタリアの元へ行く。
 そして手を伸ばすとビクっとラフタリアは頭を庇って丸まった。
「まったく……」
 その手で震えるラフタリアの肩を撫で。
「おねしょしたのならしょうがないだろ。ほら、急いで洗うから脱げ」
 予備の服も必要だな。
「え……」
 不思議そうな顔でラフタリアは俺を見つめる。
「怒らないの?」
「反省している奴に鞭を打ってどうする。お前が反省しているなら怒らない」
 シーツが汚れてるな。店主にどれくらい払えば良いか……とりあえず布として貰って置こう。
 それから俺は店主に事情を説明、シーツの弁償をし、武器屋に予備の服を買いに走った。
 井戸の水は冷たいが、洗濯板で染みを揉み、荷物袋に摘める。
 草原を歩いていく最中に枝に括り付けて乾かせばいいだろう。
「さてと」
 申し訳なさそうに歩くラフタリアになんとなくイライラしてくる。
「気にするなっての!」
「……はい」
 はぁ……素直な子なんだろう。
 でも、やる気が無いとこちらも困るのだ。
 ぐう……。
 またラフタリアのお腹が鳴る。
 あ、恥ずかしそうに顔が赤くしている。
「そろそろ朝飯にするか」
「うん……」
 俺の裾を掴みながらラフタリアは付いてくる。
「……コホ」
「じゃあ罰としてこの薬を飲め」
 治療薬を入れた器をラフタリアに渡す。
 病持ちだから、定期的に薬が必要なようだし、ちょうど良いだろう。
 匂いを嗅いで、すごく渋い顔をするラフタリアだったが、罰と聞いて飲もうと努力する。
「うわぁ……苦い……」
「我慢しろ」
 ゴクゴクゴク。
 飲みきったラフタリアは今にも吐きそうなくらい青い顔をしていた。
 ちなみに調合した薬類は良い値で売れた。品質が悪いが、枯渇気味だったらしい。
2019年01月10日 05点01分 3
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