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MFM Vol.30 1997年5月号(表紙:FIELD OF VIEW)
プランニュー・アーティスト“小松未歩”
デビュー・シングル「謎」5/28リリース!
読売テレビ・日本テレビ系全国ネットでオンエア中の人気アニメ「名探偵コナン」のオープニング・テーマとして流れているブランニュー・アーティスト“小松未歩”のデビュー・シングル「謎」(ZADS-1001)が5/28にZAIN RECORDSの新レーベル、SPOONFULレーベルよりリリースされる!(作詞・作曲:小松未歩/編曲:古井弘人)
理屈では言い切れない恋愛感を「謎」という言葉に込めたこのナンバーは、爽快に伸びゆくヴォーカルが印象的なポップ・ナンバー。メロディー展開の斬新さとともに、小松未歩独自のセンスの世界に引き込まれてしまう。
幼少のころから音楽に囲まれて育ち、オリジナル曲を作り綺けてきた小松未歩。自らシンガー・ソングライターであるとともに、デビュー前にはFIELD OF VIEWのニュー・シングル「この街で君と暮らしたい」への楽曲提供なども手掛けており、天賦とも言える才能が今、さらに、開花される…。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.32 1997年7月号(表紙:B'z)
プランニュー・アーティスト“小松未歩”
デビュー・シングル「謎」5/28リリース!
読売テレビ・日本テレビ系全国ネットでオンエア中の人気アニメ「名探偵コナン」のオープニング・テーマとして流れているブランニュー・アーティスト“小松未歩”のデビュー・シングル「謎」(ZADS-1001)が5/28にZAIN RECORDSの新レーベル、SPOONFULレーベルよりリリースされる!(作詞・作曲:小松未歩/編曲:古井弘人)
理屈では言い切れない恋愛感を「謎」という言葉に込めたこのナンバーは、爽快に伸びゆくヴォーカルが印象的なポップ・ナンバー。メロディー展開の斬新さとともに、小松未歩独自のセンスの世界に引き込まれてしまう。
幼少のころから音楽に囲まれて育ち、オリジナル曲を作り綺けてきた小松未歩。自らシンガー・ソングライターであるとともに、デビュー前にはFIELD OF VIEWのニュー・シングル「この街で君と暮らしたい」への楽曲提供なども手掛けており、天賦とも言える才能が今、さらに、開花される…。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.34 1997年9月号(表紙:WANDS)
今最も注目のシンガー・ソングライター
“小松未歩”2ndシングル「輝ける星」
9月25日リリース決定!!
5月28日にリリースされた1stシングル「謎」が、オリコン・チャート初登場11位、その後9位に入り込むという新人として異例の好成績をマークした小松未歩。自ら作詞作曲を手掛けたこのナンバーは、斬新なメロデイ・センスと、小松独自の詞の世界観が話題を呼んだ。そんな彼女が、待望の2ndシングル「輝ける星」を9月25日にリリースする。前作「謎」の勢いあるドライブ感とは打って変わって、ゆったりとした素朴な味わいの心暖まるミディアム・ポップチューンで、また一味違った魅力を披露している。また、恋する主人公の純粋でひたむきな思いを歌った、この上なくチャーミングなヴォーカルも魅力だ。このナンバーは、大阪に発足されたアメムラ・オータウン・レコードの第一弾シングルとして9月25日にリリースされるが、現在既にテレビ朝日系アニメ「忍ペンまん丸」のエンディングテーマとしてオンエアされているので、是非チェックして欲しい。
また、カップリング「傷あとをたどれば」は、ひとつの恋愛を失った主人公のせつなさや、そこから一歩成長して前に進もうとする姿を綴ったポップ・チューン。どこか懐かしさを覚えるメロデイ・ラインはこれからの季節にぴったりだ。
自らの作品以外にもこれまで、FIELD OF VIEW「この街で君と暮らしたい」、辻尾有紗「青い空に出逢えた」、DEEN「君がいない夏」、WANDS「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」等々、数々の曲を提供。そのソングライターとしての才能を発揮している彼女だが、まだまだストックしている未発表曲がたくさんあるということで、これから発表される彼女の作品に注目していきたい。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.37 1997年12月号(表紙:ZARD)
謎のままで終わらせたくないアーティストがいよいよその全貌を明らかに…。シングル「謎」で今年5月にデビューし、一部で熱い注目を集めていたシンガー・ソングライター、小松未歩が1stフル・アルバム『謎』を完成、12月3日にリリ一ス。現在までにリリースしたシングル2曲を含むのみならず、WANDS,FIELD OF VIEW,DEEN,辻尾有紗に提供したシングルもセルフ・カバーして収録した期待の全11曲について全曲紹介。
1.Dream’in Love
いきなり、ポッフス・ナンバーの王道をいくアップ・テンポなメロディーとサウンドで始まるオープニング曲。八ネるリズムに小松の歌声が個性的な調和をみせ、フレンチ・ポップスのような軽やかさを演出。一見、タイトルから察せられるようなスウィートなラブ・ソングかと思わせるが、作詞の中で覗かせるトゲのある表現で、甘すぎるただのポップスとは一線を画している。それが、小松未歩というソングライターをSuper Girlたらしめる才能だ。ワムやホール&オーツが目指したポッフなメロディー・センスは脈々と90年代のアーティストにも受け継げれていることを実証した。
2.おとぎ話
イントロなしでいきなりサビ・メロディーの歌に突入する斬新な構成。のみならず、ハ-ドなギター・サウンドに導かれたAメロからBメロCメロへと翻弄するようなメロディー・ラインの流れは、まさに揺さぶりかけられ惑わせる曲。この曲のメロディーの自由奔放な流れは、小松未歩のメロディー・メーカーとしての資質を伺わせるに充分だ。また、アレンジに於ても間奏とエンディンクでアメリカンなスライド・ギターのソロを導入するなど予測もつかない。音楽に禁じ手はないことを納得させてしまう曲だ。
3.謎
デビュー・シングル曲。イントロ部は軽快なタンス・ビートで始まり、マイナー調のサビ・メロディーから一転してメジャー調なAメロヘの展開、そこで歌われるヴォーカルはニューミュージック的なアプローチを聴かせ、再び印象的なサビメロがリフレインされると鮮やかにこの曲のメロディーが記憶に残ってしまう。全体的には往年の歌謡曲的なフィーリングもあり、かつダンス・ナンバーでもあり、そして間奏のフリーキーなピアノ・ソロとロックなギター・ソロと、あらゆるジャンルの音楽的要素がこの曲には凝縮されている。だからこそ、丹念にドラマティックに作り込まれたサウンドのこの楽曲は、デビュー曲にしてオリコンチャートのベスト10に食い込む実績を積したのだろう。小松未歩というアーティストの天賦の才能が十二分に開花したナンバー。
4.傷あとをたどれば
2ndシングル「輝ける星」のカップリング曲だったこのナンバーは、浮遊感のあるキーボード・サウンドといい、ワウを効かせたエレキ・ギター&エレアコのストロークといい、80年代LAのAORサウンドのアフローチが随所に現れる。そして、そんなサウンドにのせて歌われる小松の歌声は、タイトルのフレーズがサビ・メロディーにそのまま重なる、典型的なメロディー重視のポッフス・スタイル。リスナーも安心して身を委ねられる楽しい歌を聴かせてくれている。高めのキーの歌声も耳に心地好い。ドラム・サウンドが小気味好く、曲の流れが単調になるのを防いでいる。
5.輝ける星
2ndシングル曲となったこの曲は、イントロがオールドタイプのジャジーな印象を与え(思わず、THE BEATLESのシングル「Let lt Be」のカッリング・ナンバーだった「You Know my name」を思い起こしてしまった)、歌メロディーが妙に懐かしく、そしてサビに至って確固たる小松未歩のオリジナリティーがしっかりと顔を出すという極めて贅沢な聴き方を可能にさせる楽曲だ。彼女のオリジナリティーは、今まで数多くのアーティストがポピュラー・ミュージックという枠組みで培ってきた素晴らしき影響力を栄養にしたものであり、誰かの真似ではなく、似ていながらにしてオリジナルであるというその姿勢が見事だ。そういった様々な音楽への愛情はサウンド面でも現れ、曲後半に聞かれるバイオリンの音色やアナログ版のスクラッチ・ノイズの音など微にいり細に渡るサウンド・アレンジメントの妙を、是非何度でも聴いて確かめてみて欲しい。
6.alive
エルトン・ジョンが元ジェネシスのフィル・コリンズと手を組んでLAでループ物に取り組んでレコーディングしたらこんなサウンドが生まれるのでは?などと不謹慎なことを考えてしまった。が、それほどこのナンバーにも、随所に様々な音楽的要素をたっぶり吸収した華がある。メジャー調でもありマイナー調でもあるメロディー、ドラマティックであり、かつクラシカルなポッフスの深みさえ感じさせるこの曲の強さは、スタンタード曲となる可能性を秘めている。グローバルな視野にたった作詞にも注目したい。
7.錆ぴついたマシンガンで今を撃ち抜こう
9月に2年振りに活動を再開した第3期WANDS。彼らのシングル用として書き下ろしたナンバーのセルフ・カバー。小松未歩は作曲をする時、ピアノで作曲をするそうだが、このピアノをフューチュアーしたシンプルな小松ヴァージョンの方が、実はオリジナルの出来上がったばかりのヴァージョンに近かったのでは?WANDSのサウンドとは趣を異にするが、ニューミュージック的なアプローチが施されたこちらのヴァージョンも捨てがたい。チェンバロを導入したクラシカルな間奏部とエンディングにも注目。やはり優れたメロディーをもった楽曲はどんなアレンジでも素晴らしい。
8.青い空に出逢えた
6月にデビューした新人アーティスト辻尾有紗(彼女は小松未歩と同じ、Amemura O-town Record、関西在住アーティストでもある)のデビュー曲をセルフ・カバー。この曲もシックなピアノのサウンドが耳に響く。と共にこの楽曲を彩り深くするコーラス、そしてストリングス系のキーボード、ボトムをしっかりキープするリズム隊、それらの一音一音が曲後半に進むに従って厚く荘厳になっていく様子は、まるで一つのドラマを見ている様だ。小松未歩はTHE BEATLESの「Let lt Be」を愛聴盤の一つに掲げているそうだが、この曲はまるでビートルズへのオマージュ。間奏部のギターソロもまるで20代のエリック・クラプトンが弾いているようだ。
9.この街で君と暮らしたい
FILD OF VIEWの7thシングル曲をセルフ・カバー。作詞は、主人公に男性を設定しているため主語も“僕”で語られているが、小松未歩の歌声で聴くと、この“僕”もボーイッシュな女性の主人公に早変わりし、それが全く違和感なく聞こえてくるから不思議だ。女性側からも“この街で君と暮らしたい”という言葉がさりげなく投げかけられる、この素敵な関係!それをいともさらりと歌いこなせてしまうテクニック。これが出来るのは自らが作品を作りだすシンガー・ソングライターならではの特権だろう。
10.君のいない夏
DEENの12thシングル曲をセルフ・カバー。このバラードはヴォーカリストの違いでこんなにも印象が違うのかというくらいイメージが異なる。DEENの池森秀一と小松未歩というヴォーカリストの声の質の違いは、この曲に現れる主人公の性別のみならず年齢やパックボーンさえも異なって連想させる。どちらもが、この曲のメロディーと詞の世界で同じドラマを共有させながら、様々な「君がいない夏」のシチュエ-ションを広げていく…。名曲とは、アーティスト達によって様々な解釈を試みられながら縦横にその解釈を広げさせる柔軟性を持つものなのだろう。
11.MYSOUL
アルバムのラスト・ナンバ-であり、等身大の小松未歩のパーソナルを最も連想させるタイプのナンバー。サウンドは、ブラックやアシッド・ジャズ的なアダルトな雰囲気をもたせ、その上にJ-POPの王道路線を踏襲したメロディーをしっかりと生かしている。マイナーな、ともすると暗くなりがちな曲調だが、そこは以前のニューミュージック系アーティストのアプローチとは異なり、クールな一線は崩していないのが現代風。ここまで聴き進めば、自ずとこのアルバムから小松未歩のソウルは聞こえてくるはずだ。
以上、小松末歩のファースト・アルバム『謎』の全11曲、これは小松未歩というアーティストの持っているポテンシャルを紹介する上で最良かつ効果的な楽曲を網羅したアルバムとなった。J-POPとは何なのか? その重要なメロディー、アレンジ、作詞の世界、それを一言で言い表すことは不可能に近い。が、少なくとも未来のJ-POPシーンを占う意味において、シンガー・ソングライター小松未歩の出現とこのアルバムの登場は、音楽シーンに一石を投ずるものとなるに違いない。彼女のストックしている楽曲群が近い将来陽の目を見んことを期待する。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.40 1998年3月号(表紙:DEEN)
小松未歩
4thシングル
「anybody's game」
3月18日リリース!
思わず口ずさみたくなるメロディに、
グローバルな視野を感じさせるキラリと輝くセンスある詞
97年5月28日に「謎」でデビューした小松未歩が、早くも4thシングル「anybody's game」を3月18日にリリース。淡々としていながらも、今回も思わず口ずさみたくなるメロディ・ラインで構成されたサウンドに仕上がっている。この曲のアレンジ後に彼女が思い浮かべたイメージは"夜のカジノ"で、曲の雰囲気がなぜか人生の裏側部分を想像させたそうだ。しかし、詞の世界では曲のイメージが重くならないようにと、彼女独特の詞が少しコミカルな言葉で綴られている。タイトルの"game"とは、ゲーム性の強い生き方を意味している。死ぬまでどころか、きっと死んでも、勝ったのか負けたのか分からない人生という名のゲーム。彼女のサウンド・イメージに合った詞がつけられている。
小松未歩の人気のひとつに、独特のセンスを持つ詞が挙げられるだろう。例えば"さえない朝"という言葉を形容するのに"シュールなフランスシネマね"(「Dream' in Love」アルバム『謎』収録曲)などと言ってしまうあたりが小松未歩だし、『錆びついたマシンガンで今を打ち抜こう』(アルバム『謎』収録曲)といったフレーズも、普通の感覚ではなかなか思い浮かばないのではないだろうか。この不思議な言葉は、わかるようでわからない微妙な表現でありながらも叙情的。だからリスナーは、こういった言葉によって詞に対するイマジネーションがいっそう掻き立てられ、風景やワン・シーンが目に浮かんでくる間隔が味わえるのではないだろうか。
そしてもうひとつ、彼女が持つ独特な詞の世界を発見した。それは、女性の恋愛における幸福感や迷い、悩みといったものをテーマにしながらも、さらに詞の世界に広がりをつけるグローバルな言葉である"地球"や"宇宙"がよく登場することだ。ここに単なる恋物語だけには止まらない、小松未歩の視野の広さが伺える。
2ndシングル『輝ける星』では、"変わり続ける地球の片隅で 変わらぬ夢を"、また3rdシングル『願い事ひとつだけ』では、"次の旅立ちまでは地球と回りたい"というフレーズがある。今回の「anybody's game」の中では"地球が爆発したって 一番近くにいれる二人でいたいな"というフレーズ。ゲームのように何があるのか分からない人生においても、この人とだけはずっと一緒にいたいという主人公の想いを、さらにリアルに伝える表現として"地球が爆発したって"という言葉を使っている。一つ一つの言葉やフレーズに対するこだわりと、キラリと光るセンスを感じずにはいられない小松未歩の世界。詩集のようにじっくりと詞を楽しんでみるのもいいかもしれない。
2018年05月14日 09点05分
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这一期还讲了未歩推荐的4部电影
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.45 1998年8月号(表紙:大黒摩季)
小松未歩 ニュー・シングル「チャンス」
8月19日リリース!!
昨年5月に「謎」でデビューを果たして以来、これまでに1枚のアルバム、4枚のシングルをコンスタントにリリース。そのすべての作品がオリコンチャートに20週以上もチャートインするというロング・セールスを記録。5月4日付チャートではなんと3作同時チャートインという、新人では異例といえる動きを見せ注目を浴びている。また今年度の第12回日本ゴールドディスク大賞では『ベスト・ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー』を受賞。他アーティストへの楽曲提供を含め、彼女の活躍ぶりに集まる関心度は高まる一方だ。
そんな小松未歩が8月19日に待望のニュー・シングル「チャンス」をリリースする。このナンバーはフジテレビ系『めざましテレビ』のテーマソングとしてオンエアされている。当初リリースの予定はなかったものの作品化の要望が高く、アレンジをリニューアルしてリリースすることになったそうだ。
"自らの手で幸運をつかもう"という強いパワーを放った応援ソングとも感じられるこの作品について小松本人は『大きなチャンスを、偶然ではなく必然にする強さを持ちたい。恋愛にとどまらずに自分の可能性を確かめたい、そんな気持ちです』とコメントしている。また一見ポジティブで元気いっぱいに思える詞については「どちらかというと、両手放しに喜べる成功というわけではなく"こんな日もあるよね"というような気持ちを描いたつもりです。元気っていうだけの曲ではないので落ち込んでいるときでも、とまどうことなく、受け入れてもらえる1曲になればうれしいです」と語っている。
彼女の描く詞の世界観は、毎回独特なセンスを放っていると言われるが、例えば今回も
"誰より好きな君の絶望も
ただ真夏の夢へと消える 今度こそ大丈夫"
"ワープして 覗きたい 20世紀の結末を
女神微笑むなら 身構えない"
といった彼女らしい独特の感性が描かれている。それについて本人はどう感じているのか質問してみることにした。
「歌詞は、フィクションとノンフィクションの生活。直感から出てきた言葉をパズルのようにはめ込んでいったりとかしています」
と答えてくれた。また一つの特徴として、彼女の描く作品の中には"地球"という言葉がよく登場するが、これについては、「この世界に生まれて死ぬまでに"出会えた"ことの奇跡を思うとつい…」。こんな言葉からも、日々の生活の中で生まれる"心の風景"を鋭く捕らえる彼女独特の豊かな感性を感じることができるだろう…。
さて、今回は新たな試みとして、このところ日本でも元気なUKテイストを含んだグルーブ、ザラっとした重量感のあるギターサウンドが盛り込まれている。これが小松の歌声と実によく絡み合い、雰囲気をたっぷり醸し出しているが、今回も"言葉の意味がそのままストレートに伝わってほしい"という小松の願い通り、ポップなメロディ・ラインにのった、彼女の伸びのあるナチュラルな歌声と独特な詞が心をくすぐる。またヴォーカル入れの際、詞のせにはかなり気を使ったそうだが、作品をじっくり聞いて頂ければ、そのこだわりも頷けるはずだ。不思議な心地良さが、ごく自然に心の中に入り込んでくる。これこそが、小松作品の最大の魅力とも言えるのだろう…。
最後に、この曲をあえて色に例えるとしたら何色だと思いますか?という質問に対して『雲色。暖かい日差しの中で、少しかすんでいる感じ』と小松がコメントするこの曲。かすんで見えない未来に向かって、一歩を踏み出すパワーを与えてくれる、そんな1曲になるに違いない…。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.49 1998年12月号(表紙:稲葉浩志-B'z)
ニューアルバム『小松未歩2nd~未来~』12月19日リリース!
昨年の12月に発売された1stアルバム『謎』から1年。小松未歩の待望の2ndアルバムがリリースされる。タイトルは『小松未歩2nd~未来~』。今作を発表するまでの間に彼女は4枚のシングルをリリースし、他アーティストへの楽曲提供を行うなど、彼女の活躍ぶりは多くの人々の関心を集め、またシンガー・ソングライターとしての存在をより明確なものにしている。
Music freak magazineでは小松未歩から新作について話を伺う機会に恵まれた。今作は彼女のコメントを通して、このアルバムの魅力に迫ってみたい。
アルバムの制作は、シングル「チャンス」をリリースした後から本格的に始まった。夏からスタートしたレコーディング作業。彼女は音作りの段階から制作に加わり、自分が納得できるサウンドを作り上げていったという。その結果、彼女が作った楽曲は、原曲のイメージを損なうことなく、完成度の高いものに仕上がった。
「シングルを含め、随所に新しい試みをしてみました」
このアルバムの聴き所の一つはサウンド面。シングル曲「氷の上に立つように」は新たにアレンジを施し、ヴォーカルも再度レコーディングされた。そして前作『謎』でオリジナルならではの味わいを感じさせてくれたセルフ・カバーが、今作ではDEENに楽曲提供したシングル「手ごたえのない愛」を収録。
小松にとってこの曲は、音のイメージが一番ハッキリしていたという。ピアノにディストーション・ギター、そしてアルペジオの音色が重なった広がりのあるサウンドが、ひとつの恋愛の行方を綴った歌詞と共に聴き手に迫ってくる。また、壮大なストリングスが曲全体を包み込む「未来」、ハードなドラムとギター・サウンドが放つドライブ感がたまらない「あなたのリズム」、そしてタイトルとは裏腹なパワーポップに仕上がった「静けさの後」など、さまざまな試みが施された楽曲が多く収められている。ライブ感やグルーブ感を大切にしようという考えが働いた結果の選曲や、サウンド面へのこだわり…。今回を色に例えると「ギターの弦のメタリックな色」というこのアルバムから、彼女の一番好きな曲、または特に聞いて欲しい曲を挙げてもらった。
「全部というのが大前提なのですが、敢えて挙げるなら「Deep Emotion」です。感謝しても足りないくらいの“ありがとう”を込めて作りました」
「Deep Emotion」は短い歌詞の中に、感謝の気持ちがたくさん詰まっている曲。アルバムのラストを飾るに相応しいナンバーであると同時に、彼女のことが最も身近に感じられる曲ではないだろうか。いつもリスナーのこと思い曲作りをしていたという彼女の想いが、歌詞そして暖かみのあるヴォーカルを通して伝わってくる。
作詞・作曲を手掛けるアーティストは、自分自身の中に浮かんできた映像や情景をもとにして曲を作ることが多い。彼女もその一人である。曲によっては詞が先にあったり、メロディと同時に詞ができたりするようだが、彼女の場合、基本的には曲が先にできるという。自由で斬新なソング・ライティング・センスで、独自の世界を作り上げた小松未歩。今回のアルバムの収録曲の中にも、彼女の中で生まれたビジョンにリンクした曲があるそうだ。
「私の場合、詞は写真と同じで、その時々の一部を切り取った情景であったり、心情であったりするんです。タイトルは忘れてしまったんですが、あるフランス映画を見た後にできたのが「涙」でした。詞・曲共に影響を受けたと思います」
前作の“謎”というタイトルもインパクトのある言葉だったが、今回の“未来”も神秘的な雰囲気が漂い、新たな世界の扉が開かれたような感じを受ける。
「答えはアルバムの中にあると思うのですが、すべての未来を感じてもらいたいから、このタイトルにしました」
今までに発表された彼女の楽曲の中には、“未来”を感じさせるナンバーがいくつかあった。実際、小松未歩にとって、“未来”とはどういったものなのか尋ねてみると「現在(いま)を大切にすると訪れるもの」という答えが返ってきた。確かに、彼女は現在を大切にしているように思える。今年はシングル、そして今回のアルバムのリリースとコンスタントに作品を発表し、今の彼女を表現し続けてきた。そんな1998年は小松未歩にとってどんな一年だったのだろうか。
「目の前にある課題を一つ一つクリアしていくだけで、私は精一杯だったように思うんですが、なんだか、いろんな人にたくさんご褒美をいただいたような気がしています。来年は確固たる信念を一つ持って制作に励んでみたいと思っています」
読者にメッセージをお願いすると「やっぱり音を言葉で説明することは難しいですね。でも、誰が何といおうと、今、感じていることが全てだと思っています。自分や自分の周りの未来が予感できるアルバムとして伝わってくれたら嬉しいなぁ。」というコメントを残してくれた。この言葉からも今回のアルバムと共にまた一歩未来へと踏み出した彼女の姿が見えてくる。彼女自身の手によって生まれた楽曲たちは、小松未歩の“限りない未来”に向かって進む足音となって、多くの人の耳に届くことだろう。
最後に…今回のアルバム・ジャケットに移っている旗は“風”を象徴しているという。皆と同じ風を受けている小松未歩を少しでも身近に感じて欲しいという思いが込められた写真だ。CDケースを開けると本人の姿が見える仕掛けが施されているところからも、この作品に対するこだわりが感じられる。
2018年05月14日 09点05分
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level 13
MFM Vol.49 1998年12月号(表紙:稲葉浩志-B'z)
Miho Komatsu 2nd ~未来~ Self Liner Notes
from Miho Komatsu
前作『謎』から1年ぶりに小松未歩の2ndアルバム『小松未歩2nd~未来~』リリースされる。収録曲全11曲の印象的な歌詞を編集部独自にピックアップ、それぞれの曲について彼女のコメントと共に紹介していきたいと思う。
1.未来
"永遠に続くこの道を歩こう 悲しみさえ 無限の力にして
小さな懺悔と大きな愛。かけがえのないものをひとつ見つけることができれば
そんな未来を歩いていたい
音の表情に何かを感じてもらえたらと思います。
2.anybody's game
"今日で地球が爆発したっ
一番ちかくにいれる 二人でいたいな
この曲のヴォーカル録りから始まった'98年
アルバムに合わせてシングルとは違うテイクをのせています
ネオンに照らされている、にぎやかな夜の街がイメージとして浮かんできました。
3.チャンス
"チャンス 照れずにツッ走って 幸運を味方につけよう
できる限りの事をして頂いたので、かなりの時間を費やした印象があります
ギターダビング終了後すぐミックス。新鮮な音色のままに作品にすることができました
こだわりのアレンジとギターに大満足です。
4.氷の上に立つように
"素顔のままでいたいから 内緒よ 恋をしたっ
光よりも速く遠く心は飛んで行く Forever My Destiny
TVともシングルとも違うテイクを選びました
イントロからガラッと模様替えされていて、アルバム全体を引き締めてくれたように思います。
5.手ごたえのない愛
"時は優しく 傷を癒すけど 必要ならここにいるか
涙を拭って 自分でカタをつけて
今回、唯一の提供曲のセルフ・カバー
メランコリックなギターが後半部分を盛り上げてくれていて、私の中で、音のイメージが一番はっきりしていた曲でした。
6.あなたのリズム
"嫉妬み誹られるくらいなら 孤独のほうが100倍ま
自由って実はこんなもんだね 簡単すぎて見落とすところよ”
美しいものと汚いものとが共存する世界。力強いアレンジにひっぱられてそんな詞ができていました。
なるべく素直に歌わないようにと心掛けていたと思います。
7.1万メートルの景色
"空が近い いつもより 疲れた心を休めよう
ひざを抱えて泣いた夜もあったけど くり返すたび絆は深まってゆく"
一行ずつ情景を追いながら聞いていくと穏やかな心が取り戻せそうです。
ミックスの段階でいろいろと迷ったんですが、仮タイトルが『空』だったので
初志貫徹させました。
8.涙
"記憶が消せないのなら すべてを大切にしたい
時々 抱きしめて 涙流すの"
仮歌の時からこのタイトルをつけていました。
先に詞があるというのはめずらしいことなのですが、コード進行を見直してからアレンジをお願いしました。
9.静けさの後
"手の内明かすのなら お先に貴方から
ただ 頷いてあげる 鏡の前 髪を梳かしながら"
ギターが通常の2倍入っていたので、贅沢な音選びの中から一曲仕上げています。
サイズ及びアレンジが2転3転して何度も話し合いをしましたが"あっこれ"と思うような発見って大切だなぁとつくづく思いました。
10.願い事ひとつだけ
"愛はきっと側にある 気付けばそこにある
次の旅立ちまでは地球と回りたい"
1stアルバムと同時に制作していたので鬼のような作業、嵐のような年末を思い出します。
でも、すでにちょっと懐かしい感じですが…
11.Deep Emotion
"なんで響き合うの? どんな言葉も足りない
歌うよ せめて心から"
ひとりじゃないんだなぁと実感させられる毎日を過ごしている私。
ありがとうだけでは表すことのできない感謝 感謝 感謝。だけど、ありがとうと言いたいです。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.52 1999年3月号(表紙:松本孝弘-B'z)
小松未歩
miho komatsu new maxi singles
「さよならのかけら」3月3日リリース!
私たちは一日に一体何人の人と街ですれ違い、出会っているのだろう。言葉は交わさなくても、一瞬でも時の流れを一緒に過ごす。そんな中でも私たちの人生には、タイミングと抗う事の出来ない力によって、多くの人と関る大切な時間が存在している。小松未歩が'99年第一弾シングルとして3月3日にリリースした「さよならのかけら」は、そんな偶然と必然が表裏一体となった出会いが歌われている失恋ソング。
郷愁を誘うようなマイナー調のサビで始まるミディアム・ナンバーに、"さよならのかけら 蹴飛ばして 負けないように 未来へ走るよ"と失恋を吹っ切ろうとする主人公の前向きな姿。今回の歌詞で小松自身が表現でこだわったのは"絆、出会いの大切さ、別れの必然性"。「人との出会いって偶然じゃないと思うけど、恋愛で両思いになれるって奇跡に近いと思う」と言う。
でも、どんな奇跡に近い価値のある出会いも、些細なことで崩れたり壊れたりするのは避けられない。この楽曲は、そこを進み切ることで人は成長するし、また新しい奇跡を掴み取ることが出来るのだと改めて教えてくれる。
彼女がこの曲からイメージした色は"レンガ色"。その理由を「街の一角や片隅…、そんなどこにでもある恋愛の風景を表現したので…」とコメントしている。どこにでもある風景、日常生活の一部になりつつある出会い。その一つ一つのかけらを見落とさないことが、キラキラと輝く未来へと繋がるものになっているのだろう。春は新しい出会いが訪れる穏やかな季節でもあるが、一方では別れの季節でもある。"かけら"を蹴飛ばす人も拾う人も、このナンバーを聞いて勇気を持って前に進んで欲しい。
カップリングの「BOY FRIEND」は、夢中になって走っている時でも忘れられない人の存在が、どれだけ自分を支えてくれているのかを感じさせてくれる歌詞が綴られている。アンニュイな空気感の漂うスロー・ナンバーのこの曲は、不思議と胸に温かい思いが広がってくる。
昨年末にリリースした2ndアルバム『小松未歩2nd~未来~』が65万枚を突破し、現在も好調なセールスを続けている小松未歩。この作品で、さらに'99年の活躍にも期待が高まってくる。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.54 1999年5月号(表紙:ZARD)
小松未歩ニュー・シングル「最短距離で」5月8日リリース!
何かをクリエイトするということは、やはり自分を削りながら進めていくことが多いと思う。だから、浮かび上がった創造物のイメージをすぐに形に出来る人というのは、自分の内面世界にあるものを引き出すのが上手い、バランス感覚に優れたではないだろうか。逆に苦手な人は、流れのどこかで停滞してしまっているために、一つの物を生み出すのに膨大な時間が必要となってくるのだろう。もちろん、一般的には後者の方が圧倒的に多いとは思うし、内にあるものをまったく出せずに苦しんでいる人たちもたくさんいる。
小松未歩が前作「さよならのかけら」からわずか2ヶ月のインターバルで、ニュー・シングル「最短距離で」を5月8日にリリースした。彼女はデビュー時からコンスタントにシングル/アルバムを発売し続け、他アーティストにも多数の楽曲を提供。そう考えると、小松は非常にバランス感覚に秀でた、自分の内面世界を表現することに長けた器用な人物だということになる。
「最短距離で」はループを駆使したダンス・フィーリングあふれるポップ・チューン。"ランク王国"(TBS系テレビ)のオープニング・テーマとしてすでにオンエアされているので、耳にした人も多いと思う。今回の曲で彼女が一番こだわったのは、ずばり、そのループだ。この特徴ある音を1つ入れるために、他の音色との調和を考え、レコーディングではずいぶんと時間をかけたそうだ。
歌詞については、タイトルから想像すると、迷いのない大胆な性格の主人公が目に浮かんでくるが、実は逆説法であることに気付く。"最短距離"で進行していく恋愛を理想としている、どちらかと言うと初々しい恋心を持った消極的な女性が描かれているのだ。そしてこの歌詞やタイトルには、小松自身の性格が反映されているようだ。「作戦を練ったりして告白するのは苦手だから、素直に一言「好き。」って言えたらいいなぁとは思うんです。でも、現実はそんなにうまくいかないもんですね。恋をしていると、今度の想いは違うぞとか、誰かに自慢したくなる時があるじゃないですか。こういうアップ・テンポな曲だと、リアルな詞もサラッと流してもらえるかなって……」。
カップリングの「My destination…」は切ないバラード・ナンバーだが、こちらの曲でもループを使用。そのビート感によって、寂しさの中にも希望の温もりを感じる軽やかさを持ったサウンドへと仕上がっている。"正しいことを当たり前にように出来る町"を象徴としたという歌詞には、「今時、一途な愛とかって笑われちゃうじゃないですか。でも、そんな当たり前のことをちゃんと受け入れてもらえる世界にいたいな」という彼女の深いイメージが添えられている。
歌詞を書く作業について、「だんだん背景がはっきりしてくる時、喜びを感じる」と言っている彼女からも、自分の世界にある想いをスケッチして、上手く鮮やかに色付けをしていく作業が楽しくもあり得意でもあるのだと実感。器用にも不器用にも感じる小松未歩の人間性。知るほどに、アーティストとして一人の女性として、小松未歩にどんどんと興味が湧いてくる。とりあえず、作品にその一部が秘められていることは間違いないようなので、色々な角度と視点で作品を聴いてみると面白いかもしれない。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.63 2000年2月号(表紙:B'z)
小松未歩 New Album
「小松未歩3rd~everywhere~」2月16日リリース!
約1年ぶりに小松未歩がニュー・アルバム「小松未歩3rd~everywhere~」をリリースする。アルバムタイトルには、"いつも近くに感じて欲しい"という彼女の願いが込められているのだが、部屋に居てふと気付いたらCDのプレイボタンを押していた……という状況になりそうな、心が落ち着くリラックスしたムードと、それでいてパワーが漲ってくるような楽曲たちが収録されている。アルバムを制作するに当たって彼女の中に何かコンセプトがあったのかを聞いてみると、「いつも小松未歩らしさというか、小松未歩でしか出せない音を作ろうと思っています。その延長上に3rdがあったらいいなぁとも思います。」との返事。
"彼女らしさ"、といってもその魅力はたくさんありすぎて一言で説明するのは難しいのだが、今回はより耳に自然に流れ込んでくるゆったりとしたサウンドの楽曲が多くなっているようだ。
「アルバム用としてではなく、1曲1曲作っていたら結果として3rdアルバムが出来ていたという感じでした。(ゆったりして聞こえるのは)元気でノリノリなサウンドにしようとしても、私が歌うとどーしてもそんな印象になってしまうようです」
転調や高低の起伏が激しい曲は、サウンドで感情の激しさや浮き沈みを表現している。小松の曲は自分自身のチャームポイントでもあるハイトーン・ヴォイスをちゃんと把握して作り込んであるので、楽曲の音の振り幅はそれほど広くはないが、その分聴いていて安心感の与えられる落ち着いた作品が多い。だからといって平坦ではなく、歌詞やヴォーカル・スタイルで、時にはノスタルジックであったりハッピーであったり失恋の痛みであったりと、ちゃんと波が伝わってくる。これはなかなか難しいと思うのだが、さらっとやってのける所に彼女の感性の鋭さが伺える。それと同時に、自分の長所を活かしていく術をすでに身に付けているのだと改めて感じた。
アレンジに関しては、1stアルバムから担当していた古井弘人氏の他に、今回は葉山たけし氏、尾城九龍氏、北野正人氏と違ったメンバーも参加。彼女の新たな面を引き出す手助けをしている。このことは彼女にとっても刺激的で「アレンジされた曲は、毎回私の描いている世界よりも大きく、驚かされることの連続です。でも今回はアレンジ違いの曲が多いので、どこかでお披露目できたらいいなぁと思っています」と話している。このアルバムに収録されている1曲ごとに、さらにいろんな風景が展開されているのだ。その楽曲たちも当然ストックされているそうなので、いつかどこかで披露してもらえる機会がくることを期待していよう。
歌詞については、もともと日本語を大切にしている彼女だが、さらに今回では言葉の一つ一つの意味や語感を大切にした内容で綴られている。リアルなストーリーというよりは、一遍一遍の物語のある童話の世界に入り込んで、そこでいろんな風景を見たり体験しているような感覚。作詞に関しては「決め事などを決めてはいませんが、伝わりやすい言葉だといいなあと思っています」との事。
しかし、今回のアルバムの歌詞で目に付いたのが、漢字。一瞬、なんて読むのだろう?と思った文字が数ヶ所に登場してくる。パソコンを購入してメールにはまっているという話を以前に聞いていたので、作詞に関しても愛用し、そこからますます言葉を習得しているのかと思い質問してみたら、「音楽を作っていく過程は今までと同じですし、作詞に関してはノートと鉛筆が欠かせません」との答えが。どうしても言葉の幅が広がったと感じたので、さらに突っ込んでみたら、「本を読んだり映画を見たりして"語彙力"をつけなければとは思っています」とチラリと努力家の面が表れた。常に刺激を受けるために、アンテナを張って日々の生活を営んでいるようだ。そんな彼女が最近はまっているのが「お散歩をしながら、日常の風景を写真に収めること」らしい。それらが今後の歌詞にも影響を与え、より深みを増した歌詞がこれからも登場してくるのだろう。歌詞とともに、撮った写真の方もいつか見せて貰えないだろうか……と、つい欲が出てきてしまう。
さて、デビューから1年に1枚という順調なペースでアルバムをリリースし続けて、今作で3枚目となったわけだが、今までのアルバムの流れを小松未歩なりに一言で表現し、それを色に例えてもらった。現在の彼女の中では、
「謎?小松未歩」―――"新鮮"、ムラサキ
「小松未歩2nd~未来~」―――"土(つち)"、赤
「小松未歩3rd everywhere」―――"ニュートラル"、白
だそうだ。"現在は"とあえて付け加えているので、これから作品を重ねていくごとに当事者である彼女の中でも、作品は常に変化していくのであろう。
最後にアルバムのリリースを首を長くして待っていたリスナーにコメントを頂いた。
「ところどころにリアルな存在を感じられるアルバムになっていたら嬉しいです。待っててくれた方の期待にちゃんと応えられたらいいなぁ」
"1年があっという間に過ぎる"と毎年つい口に出しているが、こういう風に作品を聴いていると1年は本当に長く、日々の積み重ねなのだなと実感する。なぜならこのアルバムには、確実に大人になり前に進んでいる小松未歩の姿があるから。リスナーにとっても長かったかもしれないが、聴いて貰えればその溝を埋めるに十分な作品になったと納得するだろう。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.63 2000年2月号(表紙:B'z)
「小松未歩3rd~everywhere~」
self liner notes
「最短距離で」
シングルとは違い、お腹にずっしりくるドラムに変えて収録しました。不思議なもので、描かれている恋模様も変わって聴こえてくるのは私だけでしょうか。大人っぽくなりました。
「BEAUTIFUL LIFE」
周りの大切な人、人、人の顔が浮かんでくる音色に引き込まれてしまいそうです。ぎりぎりになってアレンジとミックスを変えたので、尚更そう感じるのかもしれません。応えてくれたみんなに感謝です。
「As」
アレンジやサイズが二転三転して最後までハラハラしましたが、コーラス・ワークまで行けた時は、時間のない中でも楽しくこだわりのラインをとってました。このアルバムの特徴でもあると思いますが、コーラスはいつもよりも大きめです(いろんなバージョンを録ってはいましたが、イメージはひとつで、そこに向かってみんなで走った結果がこの作品になったと思います)。
「風がそよぐ場所」
この頃はいろんな音に興味があったので、今聞くと盛りだくさんな感じを受けますね。でも私にはこっちの方が合っている気がします。遊び感覚で取り込んだ音はやっぱり軽やかでスーッと心に染みます。
「sickness」
「留守デン」という言葉は"電"なのか"伝"なのかということで物議をかもしたのですが、どちらでも良かったので、一般的!?な方にしました。出来上がったものは1stアルバムとちょっとダブるものがあり、私には懐かしく聴こえました。
「No time to fall」
異国っぽい音がきつい言葉を上手く消してくれてるかなと思います。ひとつの物語として流れてる感じがするからなんでしょうね。曲名を付ける時になって初めて、自分自身この曲の意味が分ったような気がします。
「Holding,Holding on」
曲を持ち込んだ時に難しい曲だと言われたのですが、パンチの効いた素敵なアルバム曲になりました。見ている人はちゃんと見てくれているなぁとちょっと嬉しいときに一気に作詞したのを思い出します。
「BOY FRIEND」
3rdアルバムを作っていく上でこの曲は指針になったように思います。直前まで入れるつもりは無かったのですが、ずっと心に引っ掛かっていたのでしょうか、入れてしましました。
「さよならのかけら」
アレンジ違いかもと考えていたのですが、並べて聴いてみて、最終的にシングル・バージョンのリミックス・テイク違いをのせました。当時、この3rdアルバムを一番意識して作ってた曲だったので、もとに戻して正解だと思います。
「夢と現実の狭間」
心臓の音のようなリズムとキックに触発されて、幼い頃の何てことの無いある1日を思い出してしまいした。夢見心地の中、思わず手を伸ばして目が覚めたこと。忘れかけてた感情が湧き上ってくる1曲です。
「雨が降る度に」
出来上がってから毎日聴いている曲のひとつです。2つのオケが1つになった効果が不思議感として出ているんじゃないでしょうか。雨が降る度に、草木が芽吹くように、この気持ちが伝わってくれると嬉しいです。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.71 2000年10月号(表紙:B'z)
小松未歩 New Maxi Single 「君の瞳には映らない」
10.18 Release
最近の音楽はジャンル分けが激しい。そして、そのジャンルの中でさえも、さらにカテゴライズされていたりして、ただ心地良い音楽を耳にしたいと思っている者にとっては、レコード店に行ってもチンプンカンプンな状態になりつつある。でも、その中で全世界共通で普遍的に多くの人に支持されているのが"ポップス"ではないだろうか。社会や国に対する不満や不平を語らなくても、日常の"ああ、あるある"といった気持ちや想い、共感できるほど身近にある感覚。そういったものが、音楽を聴くという最大の魅力でもある"安堵感"をもたらしてくれるのだ。
小松未歩のニュー・マキシ・シングル「君の瞳には映らない」が10月18日にリリースされる。彼女の作り出すサウンドは、どこか懐かしさを含ませつつも、新しい何かが存在している感じの、思わず耳を傾けてしまうポップス。今作はエレクトリックなイントロから始まり、エフェクトをかけたヴォーカルが、宇宙的な空間をイメージさせる。そして、そこからはビートのきいたメロディで広がりのあるアップ・テンポが展開されている。最近はミディアム系のじっくりと聴かせる作品が続いていたが、今作は「謎」「願い事ひとつだけ」「氷の上に立つように」を彷彿とさせる仕上がりだ。作品の話を聞くといつも色んなアレンジやパターン違いが作られていて、いろんな角度からサウンドを見据えている姿を感じるのだが、今作でもテンポ違いが何パターンか作られていた様子。最終的に出来上がったこの作品は、それらが合わさったものだと言う。枠は一つと決めずに、応用を効かせながらもサウンドを固めていく。これは小松未歩の作品が1作ごとに魅力を増していく、大事な基盤となっている制作スタイルなのだろう。
この曲を作った時に伝えたかったテーマを聞くと"強くないから理由を探してしまいます"との答えが返ってきた。彼女のようにひたすら作品を作り続けている人間は、非常にタフな精神力を持っていると思っていたのだが、ここに彼女の真の姿を垣間見たような気がした……。歌詞には、好きな人が近くにいるのに、傍にいるのに、"瞳に映っていない"自分を感じ、相手をつなぎ止めたいと思いつつも"『決定的な言葉を下さい』"とキッパリと別れられる何かを探している主人公に姿が描かれている。ラストには"進むべき道は正しい 最初から釣り合わない 二人だったから"と、自分自身でポジティブな思考を引き出そうとしている健気なフレーズが出てくる。彼女自身もこの歌詞のように、忘れてしまおうと気持ちを切り返していくのだろうか?"忘れてしまおうとは思いませんし、感情を素直に出してしまうかもしれません"。歌詞とシンクロしつつもこのコメントで、本当の姿は意外とストレートに自分の気持ちを出す、情熱的な女性なのかもしれないと感じた。
そして、そんな情熱的な彼女の一部分が出ているのが、カップリングの「あなたを愛してくこと」だろう。こちらは、反対に好きな人への気持ちをまさに隠さず、素直に見せつけているハッピーなナンバー。"あなたを愛してくことが そう私の人生になる"や"今まで生きた時間よりも ずっと長い関係になれるように"と、胸にふんわりと幸せな気持ちを湧き上がらせるフレーズが満載。このいう詩はどのようにして作られていくのかファンにとっては気になる所だが、"作詞をしている時って不思議なもので、言葉では上手く伝えることが出来ませんが、きっとハッピーなんだと思います"と教えてくれた。
この1枚に詰まっているのは、普遍的なサウンドにのせた、日常誰にでも訪れてくるような別れとハッピー・エンドを綴ったラヴ・ストーリー。彼女独特のポップ感で瑞々しく響いてくるこの恋物語を、秋という恋にぴったりの季節に是非聴いてもらいたいと思う。
2018年05月14日 09点05分
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MFM Vol.74 2001年1月号(表紙:愛内里菜)
小松未歩
New Maxi Single「Love gone」
1.31 Release
手放した恋を想う時、聴きたい歌がある
なぜあんな事をしたのかと過去の行動を悔やんだり、何気ないたった一言で人を傷つけてしまったり、毎日の生活にはどうしてこんなに悩みが尽きないんだろうと思う時がある。特に恋愛というのは、他人と共有する密度の濃い時間を過ごすため、相手に対する気持ちは自分の感情だけではコントロールできなくなっていたりする。そのため、強がった行動に出たり、思ってもいない事を口にしてみたり、妙に相手に依存してしまったり……。そんな身近に起こる様々な恋愛模様をテーマとして歌詞に綴っているのが小松未歩。特に最近の彼女は「あなたがいるから」「君の瞳には映らない」と前2作に続き、新曲となる「Love gone」と"別れ"をテーマとしたラヴ・ソングを3作立て続けにリリースしている。
「あなたがいるから」のテーマは"普通に愛して愛されたい、ただそれだけ"、「君の瞳には映らない」は"強くないから理由を探してしまいます"だった。新曲「Love gone」のテーマを聞いてみると、"ただ、今のお互いの気持ちを話し合いたいだけなのに"と言っていた。
あの頃に戻りたいという思いが強く描かれていた「あなたがいるから」、強がろうとしても強くなりきれず相手に決定打を求めてしまう「君の瞳には映らない」と、前2作はどちらかと言うと受身な主人公の姿が描かれていたが、今作では自分から行動を起こす女性の姿が印象的。でもそれは、相手の気持ちを察しているからの決意であって、決して自分勝手な行動でも強がりでもない。彼女もその事については"一方的な気持ちを押し付けるのではなく、相手を思いやれてる分、強くなっているのかもしれませんね"と、主人公が成長している過程を、自ら描いた歌詞の中に感じ取っているよう。
ハラハラと雪が舞う冬景色をイメージさせる叙情的なミディアム・テンポに、相手への切ない気持ちが描かれているこのナンバーは、手放して恋を思うときに聴きたくなるようなラヴ・ソング。
カップリングの「これ以外の愛は永遠に続く」も同じく"別れ"がテーマになっているが、過去を思い出している「Love gone」とは対照的に、新しい世界への気持ちが綴られた、輝かしい未来を感じさせるアップ・テンポなナンバーに仕上がっている。この曲のテーマは"良い事も悪い事も私の通ってきた道だから、後悔なんてしたくない"と言っていたが、"ラストはきっとハッピーエンド この幸せ ちゃんと根を下ろすように"といったフレーズからも、想い出に頼ったりしがちな恋愛だけど、戻らずに次の世界へと踏み出せば、誰もがきっともっと幸せへの道を歩む事が出来るんだ、という強い気持ちがこめられているようだ。
こうやって色んな"愛"について綴っているので、では、彼女にとって愛とはどんなものなのかと聞いてみたら、"等身大なもの"との返事が返ってきた。背伸びせず自分の感情をストレートに綴っているからこそ、聴く者の胸にリアルに迫り、何かしらの跡を残していくのかもしれない。
2001年1月、ついに新しい世紀が始まった。様々なことが起こり、色んな人がそれぞれの生活模様をこれからも絶え間なく生み出していく。この曲は、その中の"ある一つのラヴ・ストーリー"として身近な所でずっと残り続けるのではないだろうか。
現在は待望のニュー・アルバムの制作に入っていると言う。2001年の目標を"イメージ・チェンジ"と言っていたので、具体的な内容を聞いてみると、"冒険心が湧いたら、勇敢に挑戦してみようと思います"との答えが。歌の主人公が強くなっているように、それを等身大に写している小松未歩自身も確実に成長を遂げている。その冒険心や成長過程を、アルバムではどのような形で作品に反映させてくるのか。今から期待が高まる。
2018年05月14日 09点05分
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