旧东西
http://www3.wisnet.ne.jp/~akim/tap/read/kangeki/eriza_sora.html観劇・…感想
宙組宝塚大劇場公演「エリザベート-愛と死の輪舞-」
ビデオでみた、宙エリザの感想です。
内容は、すでに有名なのでいちいち書かないことにして、まず、全体的な感想です。
満を持して登場した、という感じの宙組エリザベート。本来海外公演はダンスの人を多く持っていくものですが、 香港公演はやけに歌の人が多かった。エリザをさせるためだったんでしょうか…でも、ダンスの人は大勢いても活躍できるけど、 歌の人って、活躍の場が限られてるから、あんまり1ヶ所に集めないで欲しいんですけどね。
全体的にいうと、個々のレベル的に高い人は多いんだけれども、どういうエリザが見せたいのかわからないままだった、 という印象です。出演が2度目、という人も多かったし、カラーが定まらないままだったのかな、という感じ。 組のカラーは定まらなくてもいいと思いますが、舞台にはカラーをつけて欲しいな。
長くなるけど、お約束なので、なるべく比較のない、個人別に行きます。
トート=姿月あさと
私は彼女の歌を芝居(ミュージカル)で聞くの苦手だったんですが、これはよかったですね。ショーでは素晴らしいんですけど、 あんまり心をのせるのが上手じゃないので。トートとしては、相当に凶暴に見えました。それがいいとか悪いとかではないです。 彼女の解釈のトートを見せてもらったのでどっちかというとよかったかな。でもねえ…なんであんなトートがいいんだシシィ! 大事に…してくれるかはわかんないけど、一度つかまったらもう2度と放してくれなさそうですよね。それがいい人だったのかな、 シシィは。
エリザベート=花總まり
自らが一度絶賛された役の再演、ということで、他の方々以上に大変だったのではないかと思います。…が、しかし! 私には前のほうがよっぽどよかったように思えました。もっと幼くなってしまった感じがしたし、歌もあんまりよくなかった。 考えすぎたのがよくなかったのかもしれませんね。初演だと、必死に役にくらいついてやったんでしょうけど、 今度は少しこういう風にしてみようか、という余裕が出たと思うので、それがよくない方向にいっちゃったのかな。
フランツ・ヨーゼフ=和央ようか
アウトロー系の役が似合う人だと思っていたので、心配してたんですが、すばらしかったです。高貴さを出すところもさることながら、 一人の男として、父親として、母に接する姿、妻に接する姿、息子に接する姿、がきっちり見えました。 もうちょっと歌声が低いともっとよかったんですが。
ルイジ・ルキーニ=湖月わたる
彼女も、いい意味で裏切ってくれることを期待しましたが、そう簡単にはいきませんね…悪役はいいかもしれないけど、 こういう濃い役はまだまだ厳しい。あの学年でもまだ、彼女の持ち味はやっぱりさわやか系統なんですよね。 若さゆえの情熱…とかはいいと思うんだけれど。ある意味、それを持ちつづけることは難しく、貴重だと思うので、 大事にして行って欲しいんですが。
ルドルフ=朝海ひかる
こんなに力のある人だったとは!というのが新鮮な驚きです。ポールくらいじゃ演技力等々は見せてもらえなかったと思いますが、 素晴らしいルドルフを見せてもらいました。ビジュアルもよかったしね。 真剣にハプスブルクの将来を憂える若い貴公子像がくっきりと浮かび上がりました。
ルドルフ(少年)=初嶺まよ
目もとのメイクがすごく気になってしまった。少年なんだからもうちょっとさわやか系のメイクをして欲しかったですね。 仕草とかはかわいかったけど、歌ももうちょっと頑張って欲しいかな。下手、っていうのではないんですが、 もう少し心を上手く載せて欲しい。
ゾフィー=出雲 綾
なんていうか、この方に関してはもはやいうことなしですね。相変わらず絶品。周りの方々が違うこともあり、 星とはまた違うゾフィーを見せていただきました。ほんとに、得難い人ですわ、この方。
エルマー=夢輝のあ
若いエルマーでした。年をとっても若かった。その分、血気あふれる感じがしてよかったかな。歌もお上手でしたね。
シュテファン=朝比奈 慶、ジュラ=久遠麻耶、ツェップス=葵 美哉
革命家たちは一人一人があんまり大きな役じゃないのでまとめて。
ヒナちゃん、マヤちゃんは、あんまり区別がつきにくかった。もうちょっと個性を。シュテファンとジュラって全然違うじゃないですか。
ツェップスはさすがの貫禄。大劇場のみで退団されたのは残念。
マックス=星原美沙緒
ちょおっと、老けた役作りだったかなあ。一番上の娘が17、8なんだから、もうちょっと若くてよかったんじゃないかな。 歌は素直にうたってらっしゃいましたね。
ルドヴィカ=高 ひづる
母親としての温かみがとてもよく出ていましたね。でも、こちらもやっぱりもうちょっと若い役作りを。あの、小さな弟たちも、 産んだのはあなたなんですよ(^^;)
ヘレネ=久路あかり
目立たないような役作りにしていた、と思いました。ヘレネとしてはそれで正解とは思うけど。もう少し、 ヘレネの気持ちが見えてもよかったかな。
重臣たち=大峯麻友、真中ひかる、越はるき、大鷹つばさ、苑みかげ
あんまり存在感のない重臣になっちゃったかなあ。ナバさんとパルキさんはお上手でしたが。他の組よりも一人減ってるんですよね、 そういえば。
マダム・ヴォルフ=鈴奈沙也
こちらも再び同じ役。やっぱりよかったです。動きとかもっと大胆になっていたようでビックリしました(笑)
マデレーネ=夏河ゆら
なんか非常に怖かった。あらゆる意味で。上級生がやるとこうなるのね…っと思いました。
ヴィンディッシュ嬢=陵あきの
狂気ぶりがましていましたね。それにしても、扇を交換するところがあんな風だったとは。なんとなく、 演技には深みが増したようでした。
リヒテンシュタイン=美々杏里、スターレイ=萌水せりか
やっぱりさすがのちずさん。雪組版にも星組版にも、すれ違いで出てないのが残念。(雪の東京には出たのかな、 でも見てないしな、私)もっといい役あげてほしいんだけども。でもこれよりいい役だと、ゾフィーしか残ってないのか。
萌水さんは美しくてよかったです。やっぱりしどころのない役よね、これも。
華宮あいり、速水リキ、月船さらら、月丘七央
あいりは、黒天使がちらちら、としかうつらなかったので、特に印象が持てませんでした。残念。 新公の評判はなかなかよろしかったようで。見たかったな。
リキは、カフェの場面と、エーアンの歌手が、素晴らしいソロを披露してくれてよかったです。本当にうれしそうに歌いますね。 (そういう場面だし)
さららんは、カフェと、結婚式後の舞踏会が印象に残ってます。舞踏会のシーンのソロは、この宙組版ではじめて、 ちゃんと聞き取れたくらい、よかったですね。普段の声は結構高めだけど、歌うときはすごく低い男役声で歌うんだなあ、と思いました。
さくらちゃんは侍従のシーンのほうが印象的。お見合いシーンはすごく細かく演技をしていて必見。あと、 2幕のゾフィーのサロンで、重臣に混じって踊っているのが、きれいに踊るなあと思いました。カフェの場面はアップがないんですが、 歌は、もうちょっと声量を、と思いました。