【日文小说】背中あわせの Archer×Lancer
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追随公主 楼主
ギンッと金属が重なる音が鸣った。 重い重い一撃のようなその音は、月だけが光る暗夜にそっと解けていく。 その音が鸣るか鸣らないか、刃と柄が交わった瞬间を见据えて、月に照らされた男が二人、瞬间的に间合いを広げた。 そのまま仕切りなおしを促すようなそれは、背の高い男が常日顷の服装とは违う赤いシャツを翻して左足で広げた间合いを返す右足で诘めたことによって意味合いを変える。 もう一人の男―――ランサーの隙を狙うその行为は、果たして成功したように见えた。 ランサーの武器は、自身の青い髪を裏切るかのように赤い真红の枪である。枪とは元来中距离で戦うものであって、至近距离には适していない武器なのだ。 かと言って、ランサーがその俊敏さをもって大きく间合いを広げるには相手が悪い。なぜなら目の前に迫る男は长距离を得意とするアーチャーのクラスの英霊なのだから。 そう、一瞬の间に判断してランサーが空けた距离は、中途半端な仕切り直せるかどうか程度でしかなく―――そのことも相手の気势をあげた。 アーチャーは気合と共に右腕に持った中国刀をなぎ払う。 彼のクラスの名を嘲笑うかのように両腕に持って振るう中国刀は、目に见えて重い。斩ることではなく断つことを目的とするそれは、技のない力任せの一撃のように见えるが、しかし见る者が见れば瞠目するまでに洗练された美しさを持ってして目の前のランサーをなぎ倒しにかかった。 最速ではない迅速の一撃は、确実にランサーを捕らえている。 青い髪をたなびかせて立つランサーの枪では、例え宝具と呼ばれるような一品だとしても、その重い一撃に耐えられるようには见えなかった。しかも、空けたはずの间合いを诘められたことは予想外のはずで対する余裕はない………はずである。 アーチャーは间违いなく胜利を确信しただろう。切っ先の锐さからも、そして体势からも、一撃は万全のはずなのだから。 しかして、予想は裏切られる。 ガギンッ しなやかな筋肉を浮かび上がらせて、ランサーは瞳と同じ色で光る枪をもってしてその一撃を受け流したのだ。流れるような动きで受けるそれは、一寸の无駄もない。 受け流されたほうは、惊愕に目を大きく开く。なぜならそれは在り得ない反撃であった。 万全の一撃は、つまりは手を抜くことなど许されない全力の一撃ということだ。その一撃を交わされてしまえば、体势を大きく崩してしまうのは自明の理である。だからこそ必杀を込めて、最速で最大の力をもってして行使されるものなのである。 しかもこの一撃は相手の隙を狙ったはずで、慌てて空けた间合い程度では体势を戻せるはずがないのだ。 それを交わされてしまった。 今度は自分が崩されてしまった体势を慌てて整えるも、そこに生まれる心の隙を青い男が见逃すはずは、绝対にない。 认识するよりも早く、枪は万全の构えへと促すために円を描いて戻っていく。その势いと共に、先ほどのアーチャーの一撃を上回るスピードで赤い闪光が突き出された。払わずに突いて来る轨迹は、何よりも早く最短のルートをもってして男を狙う。 このままでは间违いなく1分と経たないうちにアーチャーは追い诘められてしまうだろう。瞬时にそう判断して、直感のままに闪光が自分に届くその前の轨迹を消去すべく、左腕の中国刀を横に一闪した。 ギンッ 赤い光は曲线を描きアーチャーからはわずかノ逸れた。が、安心するのはまだ早い。それくらいは向こうも予想のうちで、例え一度は免れたとしてももう一撃を放つ轨迹など、当たり前のように组み立てているだろう。 だから今自分に出来る最速で体势を立て直し、その一撃に备えようとした―――が、ランサーの一撃はそれよりも更にコンマの単位で早かった。 立て直すために上げた颜、その喉元を赤い枪がピタリと狙っていたのだ。 こんな场合なのに、アーチャーは感叹の声を上げそうになった。さすが最速のサーヴァントというべきか、いやそれよりも惊叹すべくはその技なのか。皮一枚も破っていないその技量は、まさしく神のもの。 缓々と両手の刀を下ろすアーチャーを见て、ランサーは口の端を吊り上げた。「チェックメイト、だな」「…………そのようだ」 やれやれ、という仕草でアーチャーは一つ、ため息をついた。「これで俺の何胜何败だ?」「さあ。私が负けているのは间违いないと思うが」 そうだっけ?と言ってランサーは自分の得物である枪を肩に预けた。彼は相対していたアーチャーとは対称的に髪と同じ色のシャツを着ている。现実に溶け込むようなその服装も、手に持っている枪が存在を异质なものとしていた。 ここは夜の公园。先ほどまで出て彼らを照らしていた月も、今は云に隠れ辺りは真っ暗である。草木も眠る丑三つ时、とはよく言ったもので、周囲には人っ子一人见当たらない。しかしそれはこの场所特有の気配のせいではあるのだが。 十数年前の圣杯戦争の伤迹が色浓く残るこの场所は、気配に敏感なものなら近づくことは决してない。それほどまでに涡巻く思念がここには存在している。それ故、真夜中に派手な音を立てるには最适の场所なのだ。ちなみに、そんな因縁の场所も、最上级の存在ともいえる彼らには全く何の影响も及ぼすことはなかった。 その证拠に相対する彼らは息一つ乱していない。その様子を横目で见ながらランサーはふうん、とひとりごちる。
2007年12月28日 04点12分 1
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追随公主 楼主
ギンッと金属が重なる音が鸣った。  重い重い一撃のようなその音は、月だけが光る暗夜にそっと解けていく。  その音が鸣るか鸣らないか、刃と柄が交わった瞬间を见据えて、月に照らされた男が二人、瞬间的に间合いを広げた。  そのまま仕切りなおしを促すようなそれは、背の高い男が常日顷の服装とは违う赤いシャツを翻して左足で広げた间合いを返す右足で诘めたことによって意味合いを変える。  もう一人の男―――ランサーの隙を狙うその行为は、果たして成功したように见えた。  ランサーの武器は、自身の青い髪を裏切るかのように赤い真红の枪である。枪とは元来中距离で戦うものであって、至近距离には适していない武器なのだ。  かと言って、ランサーがその俊敏さをもって大きく间合いを広げるには相手が悪い。なぜなら目の前に迫る男は长距离を得意とするアーチャーのクラスの英霊なのだから。  そう、一瞬の间に判断してランサーが空けた距离は、中途半端な仕切り直せるかどうか程度でしかなく―――そのことも相手の気势をあげた。  アーチャーは気合と共に右腕に持った中国刀をなぎ払う。  彼のクラスの名を嘲笑うかのように両腕に持って振るう中国刀は、目に见えて重い。斩ることではなく断つことを目的とするそれは、技のない力任せの一撃のように见えるが、しかし见る者が见れば瞠目するまでに洗练された美しさを持ってして目の前のランサーをなぎ倒しにかかった。  最速ではない迅速の一撃は、确実にランサーを捕らえている。  青い髪をたなびかせて立つランサーの枪では、例え宝具と呼ばれるような一品だとしても、その重い一撃に耐えられるようには见えなかった。しかも、空けたはずの间合いを诘められたことは予想外のはずで対する余裕はない………はずである。  アーチャーは间违いなく胜利を确信しただろう。切っ先の锐さからも、そして体势からも、一撃は万全のはずなのだから。  しかして、予想は裏切られる。  ガギンッ  しなやかな筋肉を浮かび上がらせて、ランサーは瞳と同じ色で光る枪をもってしてその一撃を受け流したのだ。流れるような动きで受けるそれは、一寸の无駄もない。  受け流されたほうは、惊愕に目を大きく开く。なぜならそれは在り得ない反撃であった。  万全の一撃は、つまりは手を抜くことなど许されない全力の一撃ということだ。その一撃を交わされてしまえば、体势を大きく崩してしまうのは自明の理である。だからこそ必杀を込めて、最速で最大の力をもってして行使されるものなのである。  しかもこの一撃は相手の隙を狙ったはずで、慌てて空けた间合い程度では体势を戻せるはずがないのだ。  それを交わされてしまった。  今度は自分が崩されてしまった体势を慌てて整えるも、そこに生まれる心の隙を青い男が见逃すはずは、绝対にない。  认识するよりも早く、枪は万全の构えへと促すために円を描いて戻っていく。その势いと共に、先ほどのアーチャーの一撃を上回るスピードで赤い闪光が突き出された。払わずに突いて来る轨迹は、何よりも早く最短のルートをもってして男を狙う。  このままでは间违いなく1分と経たないうちにアーチャーは追い诘められてしまうだろう。瞬时にそう判断して、直感のままに闪光が自分に届くその前の轨迹を消去すべく、左腕の中国刀を横に一闪した。  ギンッ  赤い光は曲线を描きアーチャーからはわずかノ逸れた。が、安心するのはまだ早い。それくらいは向こうも予想のうちで、例え一度は免れたとしてももう一撃を放つ轨迹など、当たり前のように组み立てているだろう。  だから今自分に出来る最速で体势を立て直し、その一撃に备えようとした―――が、ランサーの一撃はそれよりも更にコンマの単位で早かった。  立て直すために上げた颜、その喉元を赤い枪がピタリと狙っていたのだ。  こんな场合なのに、アーチャーは感叹の声を上げそうになった。さすが最速のサーヴァントというべきか、いやそれよりも惊叹すべくはその技なのか。皮一枚も破っていないその技量は、まさしく神のもの。  缓々と両手の刀を下ろすアーチャーを见て、ランサーは口の端を吊り上げた。 「チェックメイト、だな」 「…………そのようだ」  やれやれ、という仕草でアーチャーは一つ、ため息をついた。 「これで俺の何胜何败だ?」 「さあ。私が负けているのは间违いないと思うが」  そうだっけ?と言ってランサーは自分の得物である枪を肩に预けた。彼は相対していたアーチャーとは対称的に髪と同じ色のシャツを着ている。现実に溶け込むようなその服装も、手に持っている枪が存在を异质なものとしていた。  ここは夜の公园。先ほどまで出て彼らを照らしていた月も、今は云に隠れ辺りは真っ暗である。草木も眠る丑三つ时、とはよく言ったもので、周囲には人っ子一人见当たらない。しかしそれはこの场所特有の気配のせいではあるのだが。  十数年前の圣杯戦争の伤迹が色浓く残るこの场所は、気配に敏感なものなら近づくことは决してない。それほどまでに涡巻く思念がここには存在している。それ故、真夜中に派手な音を立てるには最适の场所なのだ。ちなみに、そんな因縁の场所も、最上级の存在ともいえる彼らには全く何の影响も及ぼすことはなかった。  その证拠に相対する彼らは息一つ乱していない。その様子を横目で见ながらランサーはふうん、とひとりごちる。
2007年12月28日 04点12分 2
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追随公主 楼主
「ま、负けてるにしても、毎回余力は残してるみたいだけど、な」「それは君も同じだろう。それに―――私では、君の相手にはならないのではないのか?」 手に持っていた中国刀―――干将・莫耶を自らの内にある丘に沈めながらアーチャーは言った。「私の持っているものは全て、相手が知らないからこそ活用出来うるものだ。知られてしまっては意味がない。単纯な力胜负においては残念ながら私のほうが劣っているのだからな」 言外に肩をすくめてそう自嘲する。そんなアーチャーを眺めながら、ランサーは眉をしかめた。がりがりと头をかいて反论の言叶を返す。「よく言うぜ。隙ついて长距离を空けられた日には、俺が胜てた试しはないだろ」「当たり前だ。それで负けてしまっては私のクラスの名折れになる」 何を戯言を、という风に视线を向けるアーチャーにランサーは苦笑した。简単に负けを认めるかと思えば、そうでもない。相変わらず面白い男だと思う、この赤い弓兵は。 ランサーのスキルの一つとして、矢よけの加护というものがある。それを保持している彼にとって、空けられた长距离も関系ない。狙撃手を确认している限り、轨迹が视认出来るのだから弓と対峙してもハンデになるはずもない。しかし、それすらも逆手にとってアーチャーはまるでチェスのように诘めてくるのだ。 彼の矢はあの英雄王と同じく规格外で、一つでも当たれば间违いなく致命伤、いやそれ以上のものになってしまう。それを考虑した上で、避けなくてはいけないギリギリをちゃんとついてくるのだから性质が悪い。そしてよしんば避けたとしても、その后に诘めてくる手はいつも违う。 一体、いくつの戦略を持っているのだろうかと呆れ果ててしまうのは仕方がないことだろう。―――そしてそれとともに、それだけのものを持たなくてはならなかった男の生き様を想像してしまうのも常なのだが。「まあ、どちらにしても、だ。君と私では胜负にはならない」 ランサーの视线に眉间を寄せながらアーチャーはさらりと言い放った。それはさも当然のことだった。なぜならば―――「互いに本気でやりあえないのだから、胜负にもなるはずがない。仕方のないことではあるがな」「ま、そりゃ仕方ないな」 片眉を上げて、ランサーも肯定をした。 此度の圣杯戦争はとても特殊な状况下にあった。前回と同じ英霊が呼び出されたこと自体がまず异例といえる事态なのにも関わらず、それが复数なのだ。挙句、マスター同士の协力関系によって参加者が二つに绮丽に分かれてしまったのである。 しかも彼らのマスターの求めるものが圣杯による愿いの成就ではなく、圣杯そのものを壊すことにあるのだから更に话はややこしくなっている。 まあ、そのおかげというか何というのか、ランサーとアーチャーというクラスを赐っている、本来ならば敌対関系にあるこの二人も、こうしてのんびりお游びのような挂け合いが出来るわけだが。「しっかし、そろそろ胜负をかけてくれねないとなあ。技が钝っちまう」「相手方の力量もわからないまま打って出るのは得策ではないという结论に达しただろうが」「そりゃそうなんだけどなあ」 くるくると手にある枪を回しながらランサーは唇を尖らせた。参加者が二つに分かれてしまったということは、つまり敌対する数も半分に减ってしまったということだ。自分の力を思う存分発挥したい、というのが愿いのこのサーヴァントには今の状况は不満なのだろう。「そう言われて、待て待てで既に何日が経过してる?そろそろ様子见にしたって长すぎだと思うがね。こうも何もないと、本当に体が锖付いちまう」「それも仕方あるまい。お互いの戦力を见极めかねていて、互いに手を出しあぐねている。―――もう少しは胶着状态が続くんじゃないか?」
2007年12月28日 04点12分 3
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追随公主 楼主
 何故か面白そうにアーチャーの様子を见ているランサーが軽口を叩くのアーチャーがたしなめた。无远虑な视线に眉をしかめる。それも手伝って、次に続ける言叶も少しだけきつくなった。「しかし………体がなまると言って人を连れ出して、思う存分叩きのめしてくれた挙句、言うことはそれか…。どうやら私では胜负どころか君のストレス解消にもならないようだな」「え、は…そういう意味で言ったわけじゃねえって!」 アーチャーがふう、と一息ついてやれやれと肩をすくめたのを见て、ランサーは慌てて否定する。軽い调子で言っているようには见えるが、アーチャーの目は笑ってはいない。机嫌を悪くしていることがランサーにはわかった。前回の圣杯戦争と今回、合わせてもまだ数日ではあるが反発もし同调もした仲だ、そろそろ相手の言动のパターンも少しくらい読めてくる。 ここで机嫌を损ねてしまっては、もう軽い打ち合いすらも付き合ってもらえなくなってしまう。しかも断るときには间违いなく先ほどの言叶が皮肉として付随してくるのは目に见えているのだ。 だからランサーは早口で付け加えた。「ちゃんと感谢はしてるし、ストレス解消どころか十分楽しませてもらってはいる!―――だがな…」「………だが?」「―――お前とやり合うなら本気が良かったな、と未练があるだけだ」 さも残念そうに言うランサーを见て、アーチャーは颜には出してはいないが惊いてしまった。よもや本物の英雄ともいえる人物からこのような―――过大ともいえる评価をいただけるとは思ってもいなかったからだ。意识をしないと頬が缓むのも仕方のないことだろう。この身が正义の味方としてあるために作られた、今では世界のためにあるものだとしても―――人々の信仰を集め崇拝されている自分でも知っているような英雄に褒められるのは、やはり嬉しい。 だから思ったより优しい声が出てしまったのも无意识のことで、仕方のないことなのだろう。「―――そうだな………」 そして、てっきり呆れたようなため息でも落ちてくるのかと思っていたランサーのほうは、柔らかな声音がふってきて反対に意表を突かれてしまった。少しだけ上にある颜を见るために颜の角度を上げる。普段はいけ好かない皮肉気な笑みか呆れたように眉间に一つしわを作る表情があるその颜が、柔らかになっているのを初めて见た。 いや、厳密に言うと初めてではない。ただ、今まで自分にかけられなかっただけで、例えばセイバーのマスターである凛だとかそのセイバーたちにたまに向けられる雰囲気みたいなものは认识している。でも真正面から受けたのは初めてだったのだ。「确かに、君とは一度全力を出し切って戦ってみたいものだ」 そう言って笑ったように见えるアーチャーに不覚にも感动してしまった。ぽかんと盛大に口を开けたまま无言で见つめてしまう。あーとかうーとか喉の奥で声は响くのだがそれがちゃんとした音になることはない。―――だって、嬉しいに决まってるだろ
2007年12月28日 04点12分 4
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追随公主 楼主
 その嬉々とした様子から、ようやくアーチャーはランサーの本当の目论见に気がついた。「ランサー………贵様、谋ったな…!?」「人闻き悪いこと言うなよ。ちょーっとお前にも协力してもらっただけだろ?」 にやりと口の端を上げてランサーは続けた。「嬢ちゃんや坊主も承知していることだぜ?ただ、お前には言い忘れたけど」「―――贵様っ!」 怒声を上げて、アーチャーは力任せに右腕をなぎ払う。キイキイという声と共に虫がぼたりとわかれて落ちていく。 言い忘れていたとは言うが、その様子から见ても确信犯なのは间违いがない。 怒りのままに后ろの男の首を即刻落としてやりたいところだがそれは叶うはずもなく、仕方なく向かってくる虫の头と呼べる部分を落として代わりにする。 つまり最初から作戦の内だったのだ。胜负をしようと言って、アーチャーを连れ出したその时から。 考えてみれば当たり前のことだ。サーヴァント同士が戦って、魔力が外に漏れないわけがない。しかも、ランサーに至っては宝具であるゲイボルクまでも出してきている。 それがわからないような魔术师は、圣杯戦争に参加しても生き残れない(例外はあるが)。 そしてこの冬木においてそのような膨大な魔力のぶつかり合いをして、放出された魔力に対し、敌対する魔术师たちが探りを入れてこないはずはないのだ。 平和ボケをしていたとしか思えない、自分の失态に舌打ちをする。考えればわかったはずではあったのにそれをおかしいと思わなかったのは、今の空気に浸りすぎていたから、とは言い訳にもならない。 そして何より、そんなアーチャーをランサーがどう见ていたのかと思うと、头が沸腾しそうになる。视线だけは呪い杀しそうな势いで时折ランサーのほうを见つめながら、アーチャーは考察する。 この作戦を考えたのは间违いなく彼女だろう。昔から良く知っている赤い少女の姿を思い浮かべて、アーチャーは大きくため息をついた。昔から待つということが続けられなかったけれど、やはりそれは今でも変わらないらしい。変わらぬ少女―――今はある程度大人になってはしまっていたけれど―――の性格に苦笑しながらも、自分の担当である前方向の敌を丁宁に歼灭していく。 彼女の作戦で、それを他の者も賛成したのならばまずは大丈夫だろう。受身なのはこちらではあるが相手侧もこちらの戦力を见极めようとしているに违いなく、今のところ侦察程度の虫しか出てきていない。このままこちらの情报を流させなければ、少なくとも相手侧が虫を使うということで、相手がどういった辈であるのかも推察できてしまう。 それは大きな进歩だ。それがあれば、こちらから攻め入る手段も出てくる。罠をはってまで手に入れた甲斐のある情报である。 そこまで考えて、アーチャーはちくりと刺す胸の痛みを振り払った。考えても诠ないことではあるのだけれど、磨耗した记忆の奥で感じる既视感に、无性に泣きたくなる気持ちが胸を突く。 これは何の符号なのか、彼は知っている。 これがアーチャーと呼ばれる存在になる大きな分岐点に差し挂かっているのだということをこの身は知っている。だから磨耗した记忆の中で、一番奥に仕舞われてしこりとなっている部分が古伤のように痛んで仕方がなく、胸の痛みとなって表に出てきているのだ。 それでもアーチャーは押し黙るしかない。これは(今は癪に触ることに)自分のマスターになった存在がぶつかる问题であって、过去にあったことと割り切らなくてはいけない自分が口に出せることではないのだから。だから泣きそうな気持ちに気付かない振りをして両腕を振る。 そうして几许か剣戟が続いた后、アーチャーは右肩を叩かれた。振り向かなくてもわかる気配は、肩を叩いた左手の势いを使って、大きく飞び上がる。「―――后ろは、任せた」 そう言って振り返りざまこちらをニヤリと一瞥したランサーが、止める间もなく大きく前に出た。 ここにもどうやら待てない者がいたらしい。嬉々として打って出る姿を见ては、呆れて文句も言えない。 相手に情报を持ち帰らせないために一気に胜负をかけようというのか、それとも面倒くさくなって一気に片をつけたくなったのか―――多分后者だな、とアーチャーは大きくため息をついて、彼の死角になるところから袭ってくる虫を溃していく。先ほどまでの既视感をそっと见なかったことにして、集中する。集中をさせてくれる背中の男に、少しだけ感谢をしながら。 一人では立ちすくむようなそんな感覚も、一人ではぐるぐると回っていたであろう思考も、后ろの存在のおかげでしっかりと足を踏みしめることができる。认めてくれた存在に下手なところは见せられない、そう心を引き缔めることができる。 そして、ランサーが出そうとしている大技に合わせて、アーチャーは内にある丘から弓と矢に当たる剣を引きずり出す。 とりあえず、全ては帰ってから、である。
2007年12月28日 04点12分 6
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