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「口べたのもどかしさ」心挂けた 映画「舟を编む」に主演 松田龙平さん
2013年4月15日 09:20 カテゴリー:エンタメMAX > GET
13日公开された映画『舟を编む』は、ある出版社で辞书作りに情热を注ぐ人々の物语。松田龙平さんは、言叶について豊富な知识を持ちながら、使い方を知らず、人づきあいが苦手な主人公を好演している。作品を通じ、言叶の素晴らしさを感じたそうだ。
‐主人公の马缔(まじめ)光也は辞书编集部员。15年かけて新しい辞书を作ります。感情表现が下手で、口べたな马缔。役作りで苦労しましたか。
松田 确かに初めは、马缔ってよく分からないやつだなという思いがあって、映画を见ている人もそう感じてしまったら马缔に感情移入できないだろうと心配しました。だから、自分の気持ちを伝えたいのに、言叶が出てこない马缔のもどかしさを、皆さんに分かってもらえるように心挂けました。马缔の人物像については、撮影前から石井さん(石井裕也监督)としっかり话し合えていました。
‐石井监督は『川の底からこんにちは』などで多くの映画赏を受赏し、国内外で注目される监督の一人。しかも松田さんと同じ1983年生まれ。监督から影响を受けましたか。
松田 石井さんは、马缔の目线で作品を考えていました。例えば、马缔が勇気を出して自分から同僚の西冈に声をかけるシーン。いきなり西冈の腕をつかむのは石井さんの提案でした。马缔にそうするのは难しいと思ったのですが、演じてみると、相手との距离感がつかめない马缔だから逆にこうなるのだと気づきました。马缔はいろいろ考えているのに、客観的に自分を见る余裕がないんですよ。自分にはなかった感覚でした。石井さんの年齢は気にしませんでしたが、映画についていろいろ话すうちに、ライバル意识とまではいかないけれど、张り合っている部分はあったかもしれません。
‐原作は三浦しをんさんの同名小说。三浦作品の主演は『まほろ駅前多田便利轩』に続いて2作目ですね。
松田 縁があるんでしょうね。『まほろ‐』もそうでしたが、しをんさんの作品は独特の世界観があり、女性なのに、男同士の関系をリアルに描いています。女性にとって、こうあってほしいという愿望があるのかも。今作の马缔と西冈は、お互いに镜となり、足りない部分を补い合っていく。その関系がいいなって思いました。
‐松田さんは话题作の出演が続いています。今年は30歳。自分の中で今作をどう位置づけていますか。
松田 特に节目という意识はありません。ただ、撮影中、石井さんが自分の考えをしっかり话してくれたので、仆もそれに応えたいと思って演じていました。いいタイミングで石井さんと仕事をできたと感じています。
‐映画からは登场人物の言叶に対する情热が伝わってきます。俳优として言叶などにこだわりがありますか。
松田 役柄や台本がありますから…。滑舌があまり良くないので、言いにくいせりふを直すぐらいでしょうか(笑)。言叶は人に话すだけでなく、発することで(相手から)反动があります。だから、いいせりふを言うときは、自分自身に返ってくる感覚を楽しみながら演じています。自分がやらないことを、やる机会を得るのが俳优という仕事。自分では绝対にしないことを、役を通じてやったときが面白い。何事も决めつけてしまうと视野が狭くなります。こだわりは大切ですが、バランスを忘れてはいけませんね。
‐今作の撮影を通じて、言叶について感じたことはありますか。
松田 辞书の中にはたくさんの言叶があふれていて、希望があるなと思いました。言叶って、自分の微妙な気持ちを伝えるところから生まれ、派生していくもの。人とつながりたいという気持ちの表れなんですよ。だから、相手のことを知りたい、自分のことを伝えたいという気持ちが辞书には込められていると思っています。
‐もし本当に辞书を作るのなら、松田さんは「俳优」「松田龙平」という言叶をどう语釈しますか。
松田 俳优は、役というフィルターを通じ、自分自身を知り、人を知ることができる仕事。松田龙平は、…秘密にしておきます(笑)。
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▼まつだ・りゅうへい 1983年、东京都出身。大岛渚监督の「御法度」(99年)で俳优デビューし、ブルーリボン赏やキネマ旬报ベストテンなどで新人赏を受赏。2007年、NHKの「ハゲタカ」でドラマ初出演し、活动の幅を広げる。近作では「蟹工船」(09年)に主演、「探侦はBARにいる」(11年)、「北のカナリアたち」(12年)などに出演した。
=2013/04/14付 西日本新闻朝刊=
2013年04月19日 17点04分