level 10
『セラの镜像』撃退の代偿であるかのように秽歌の庭(エデン)に堕ちたシェルティスとユミィ。
袭い来る幽幻种を撃退し、バラバラに引き离されつつ辿り着いた场所は、魔笛を含まぬ澄んだ空気の大地。
秽歌の庭とは信じがたい场所でシェルティス达は、それぞれが一人の少年に出会う。
ユミィが出会ったのはシャオ、ミクヴェクスの使者たる少年。
シェルティスが出会ったのは凪、プロジェクト・エデンの执行者たちを支え続けた少年。
そして二人の少年に导かれたシェルティスとユミィは、『セラの镜像』の実像(オリジナル)であるミクヴェクスとアマデウスに出会う。
そして神性存在から语られる世界の危机、そして残酷な世界の救い方。
次々に再登场(・・・)する新キャラクター(・・・・・・・)に惊かされっぱなしの前半戦。(正确にはアーマは短编で登场済み)
寿命などなさそうなミクヴェクスとアマデウスはともかく、シャオと凪の登场は完全に予想外だった。
前作『黄昏色の咏使い』において主人公・ネイトの対存在と言うべきポジションだった少年・シャオ。
まだ完结していないエデンのプレストーリー『不完全神性机関イリス』の主人公・凪。
シャオは、もし空白名咏を使えるならバランスブレイカーに成りかねない。
凪に至っては登场した事によって『イリス』の続刊での安全が保障されてしまった。(まぁ、主人公が死亡・行方不明ENDというのも少ないが……)
そして、神性存在から语られた秽歌の庭を消し去る二つの方法。
一つは、皇姫を継いだユミィが氷结镜界によって浄化し続ける方法。
一つは、无数の幽幻种を潜り抜けて秽歌の庭の最深部に至り、第七真音律(エデン・コード)によって全ての魔笛を自壊させる方法。
。
ただし、どちらの方法も『セラの镜像』との対决は避けがたく、それぞれが大きな问题を孕む。
前者はユミィが数百年の孤独に耐えなければならない事。
后者は魔笛の自壊にシェルティス自身も含まれる事。
どちらの方法にしろシェルティスとユミィは引き裂かれる事になる。
だが、シェルティスと无関系の浮游大陆(オービ・クレア)の一般人からすれば后者は破格の好条件だろう。
成功率はともかく、护士候补生一人の犠牲で幽幻种が绝灭するなら、彼の身内や友人を人质にしてでも実行させたいところだろう。(まぁ、一般人视点と言い出すなら前者でもデメリットは无いのだが……)
ただ、アーマの口振りから察するに第三の选択肢も在るだろうし、二つの方法にも抜け道がありそうだ。
例えば前者なら、数百年の间、主天を継いだシェルティスがユミィを支え続けるならどうだろう?
方法は不明だがツァリや凪も千年を生き続けているようだし、场合によってはシェルティスがそうなる事も可能ではないだろうか?
后者の方はシンプルだ。
シェルティスが魔笛によって生かされているなら、魔笛システムの自壊と同时に、沁力でそれを代行できないだろか?
急激なレベルアップを続けているユミィにアマリリスと皇姫サラのサポートが在れば不可能ではないと思えてくる。
まぁ、そのぐらいのメンバーしか秽歌の庭最深部の魔笛に耐えられそうにない、というのもあるが……
一方で、イグニドからの情报でシェルティス达の救出に动き出すモニカ・华宫・ヴァイエル。
イグニドの残したヒントによって天结塔(ソフィア)最上阶にある秽歌の庭への扉を目指す三人だが、思わぬ障害とそれ以上に予想外の救援を得る。
警戒の上がった天结塔のセキュリティ足止めされるも、エリエの持つ印章によって皇姫サラの居室までフリーパス。
常识を知らなかったエリエの行动が、モニカ部队を戦栗させる。
そして明かされる(エリエ以外にはバレバレだった)纱砂の正体。
纱砂=皇姫サラの协力を得た一行は『扉』を开き、二人の救出に赴く。
常识人なら即座に気づく纱砂の正体をようやく知ったエリエ。
だが、その反応さえも想定外。マフラーをプレゼントって……
また、予想外にあっさりと正体を明かしフランクな态度の纱砂だが、それ以上に予想外の発言が零れる。
ヴァイエルの口调から连想し、凪に対する“駄犬”発言。
逃げろヴァイエル。お前は今、千年の眠りについた“暴君”を起こそうとしているぞ。
そして、终盘。
合流したシェルティスとユミィは、禁断水晶ことアマリリスとの邂逅を果たす。
案内人の少女と、守护者の少年を越えて辿り着いたのは、シェルティスの予想以上に幼い少女。
皇姫サラ以上に过酷な千年を过ごした少女との短すぎる邂逅、そして裂けた大地によってもたらされる强制的な别れ。
纱砂たちの救援によってシェルティスとユミィは九死に一生を得る。
今巻では新キャラクターが登场する度に惊かされてきたが、案内人の少女・ミオはその最たるものだった。
前作ヒロインの亲友にして一般人代表ともいうべきポジションの少女が(幻影とはいえ)まさかの登场。
世界観として重要なアマデウスやミクヴェクス、彼等を名咏するシャオなら再登场も予想できた(といってもまず出ないだろうと思っていたが)が、ミオだけはノーマークだった。
完全に脱帽だ。
そして守护者の少年だが、あれはやはりネイトなのだろうか?
夜色名咏(推定)を使う少年となると彼以外は考えられないのだが、ロクに会话が通じない辺り本人ではなく彼を模した傀儡だろうか?
アマリリスのセリフから察するに、シャオだけでなくカインツやネイトも健在のようだが、彼ら本人の登场にも期待したい。
个人的にはカインツ&イブマリーに登场してほしいところだ。
千年の真実を知る者达との接触によって、次々に明らかになっていく过去。
千年を支えた纱砂はシェルティスに何を告げるのか。
未来を托されるシェルティスは、どのような第三の选択肢を见出すのか。
次巻、『最终双剣-ユミエル・ノイズ-』を期待して待ちたい。
2012年09月22日 07点09分