level 2
肯定了自己的欲望并将它完全暴露出来的“那家伙”的身姿,可怕的贪婪滑稽。与颤动的身体显示的媚态相反……极度痛苦扭曲的表情。深的黑暗包裹附近。黎明还远。这里的天空看不见装饰性的月影。晓 あかときやみ 闇庵一个人……待在拂晓前的黑暗中,也不开灯,在生活气味全无的房间里,一个劲儿地抽烟,紫色的颗粒到处乱呛。“……高兴吗?染上草剃的味道……八神庵……”和自己一模一样的声调所谈论的话题,让庵不快地皱起了眉。时间模糊的,除了庵没有其它人存在的房间里,充满了浓烈的瘴毒。从黑暗中洇散的“声音”,不是真的声音。那是在庵的内部回响……直接传达到意识的“声音”。『お前の中の「草剃」の血が、惹かれるのであろうよ。 その様で、草剃を灭ぼす等とは、随分と行动が支离灭裂ではないか?』 部屋に淀む気配。笑みを含んだ「声」。「声」は庵を軽侮し、嘲笑う…そんな様子までも、庵自身と酷似していた。「杀戮は一瞬の快楽だ。 时が至る…その瞬间までは…充分に楽しませて贳っても悪くあるまい?」部屋には庵一人の声だけが响いている。くわえ烟草のままで、微かに唇を开き、低く言叶を缀る庵の声が、日が升る寸前の暁暗の中で、思いのほか大きく响く。『滑稽なものだな…八神よ。自分が何を喋ったのか理解しているのか?』声なき「声」は尚更に、嘲弄の响きを强くする。『お前は今、自分で「草剃は杀せない」と告白したのも同じことなのだぞ…?』「フン…。」庵は、まだ半ば以上残った…火のついたままの烟草をつまらなさそうに掌で握りつぶす。『やはり「草剃の血脉」には逆らえんか…? 八神と名を変え…その躯に暗き×××の血を取り込んでも、 半身たる血の呼び声に未だ引きずられている…哀れな一族よ。』「…くだらんな。」『…いづれはお前も今までの八神と同じく草剃によって破灭するぞ? 己自身の血によって引き裂かれ、绝望と苦痛にのたうちながらな。 所诠、お前达は草剃と×××の血に缚られた道化…。』庵以外の谁もいない筈の部屋の空気が、闻こえぬ「声」が伝える嘲笑で震えている。しかし、庵はあからさまな侮蔑にも関わらず、静かに唇を笑みの形に吊り上げたのみ…。「声」はそんな庵の様子に気付かぬ调子で、更に言叶を続けていく。『早くその器を手放してしまえ。人としての自我を舍て去り… 獣に堕ちてしまえば、もはや何の苦しみもない。 我が力を与えてやろう…。 永劫の狂気に身をまかせ、草剃もろとも …闇に沈むのも、いっそ本望だろう?』耐えかねたように、庵は躯を震わせ哄笑する。「笑止だな…。つまり贵様は他者の肉体に寄り凭かなければ、何ら 力を行使することも出来ぬ、惨めな寄生虫に过ぎんという訳だ。」『何をっ!!』「分かっていないのは、贵様の方だ。 草剃に八神? 黴の生えた话をいつまでも…」笑いの余韵に、咽喉を波立たせつつ…言い募る。「京を杀すのは、俺自身の手でなくては意味がない。 运命など、一族の宿怨などで、済ませられる范囲はとうに超えている …邪魔をするな。」『草剃を狙うのは、お前自身の意志だとでもいうつもりか? それこそ、笑わせる…。 八神 庵…お前は、糸の存在を理解出来ぬ、哀れな傀儡に过ぎぬ。』庵と「声」は、互いに互いを嘲骂しあう。「ふっ…だから贵様等は…力で劣る人间に封じられる羽目に陥ったのだったな? 贵様等が作った…安っぽいシナリオに酔ったままでいる程、感伤的にはなれん。 失せろ…奸しい。」掌に紫炎を呼出し、部屋に満ちる気配に向け…腕を振るうと、息苦しいまでに张り诘めた「気」がざわりと音を立てて蠢き、挠んで弾けていった。『また…遭おう…八神 庵よ…。我はいつでも…お前と共に在る…。』最後に忍び笑うかのような…波动を残し、「声」はその気配を消失させる。「蛇め…。」庵にも判っていた…あの「声」が外から来た訳でなく、自身に流れるオロチの「血」に潜み栖むモノであることを…。庵の中に、确かに存在し、しかし庵自身では、あり得ない奇妙な気配。八尺琼が…八神の始祖が交した「血の契约」の代偿。先程の「声」が洩らした一言が、ふと、庵の脳裏を过った。『草剃もろとも…闇に沈むのも、いっそ本望だろう?』「…确かに、地狱の底でも退屈だけはせんだろうがな。」苦い自嘲に、一瞬、唇を歪めると、新しく取り出した烟草を衔え、指先に灯した炎で火を付ける。…升りはじめた曙光を浴びながら、庵は、独りベットに凭れ、再びゆっくりと紫烟を熏らせ始めた。 终 1999. 6. 25 ( 初稿 )
2006年05月29日 15点05分
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