【访问】「Underground Insanity」激ロック 专访
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ALI PROJECTのインタビュー公開!"あまりポピュリズムには走らない曲を作りたかった"――"Underground"な醍醐味を堪能できるアルバム『Underground Insanity』を明日10/15リリース!
ALI PROJECT
Member:宝野 アリカ(Vo) 片倉 三起也(Key)
Interviewer:杉江 由紀
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アングラならではの醍醐味を堪能せよ。"Underground Insanity"と冠されたALI PROJECTの最新アルバムは、鬼才 片倉三起也の生み出す色とりどりな楽曲たちと、宝野アリカ様の描かれる忌憚なく容赦もない素晴らしき歌詞たち、そして千変万化する表情豊かな歌によって織り上げられた逸品となる。凛々しきリード・チューン「日本男子、獅子奮迅」を筆頭に、暗いカオス感の漂う「地下牢(ダンジョン)から愛を込めて」のような楽曲まで、その階層は実に深い。
2025年10月15日 17点10分 1
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-ALI PROJECTは毎作コンセプチュアルな世界を提示しており、近年ですと『天気晴朗ナレドモ波高シ』(2023年リリースのアルバム)では、日露戦争をモチーフにしながら、現代の"戦争と平和"について描かれていらっしゃいましたし、前作『若輩者』(2024年リリースのアルバム)では、圧倒的なラスボス感を漂わせる一方で、若気の至りについて秀逸な表現をされていらっしゃいました。今作『Underground Insanity』の方向性については、いつどのようにして定まったものだったのかをまずは教えてください。
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片倉:ここまでの流れからいっても、ALI PROJECTの場合は、最初にアルバム・タイトルが決まらないと全体を作っていくことはできないので、僕が曲を書き出したくらいの頃にはまず"Underground"という言葉が浮上してきてました。まぁ、"Underground"というのは散々使い古された言葉だけど、僕はアリプロ(ALI PROJECT)って基本的にアングラな存在だと思ってるので、その点ですごくしっくり来た言葉だったわけです。
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宝野:そうそう、まさにアリプロってアングラなんですよ。特に精神的な部分で。
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片倉:カウンターカルチャーというよりは、"Underground"のほうがアリプロっぽいもんね。ただ、アルバム・タイトルが単に"Underground"ってなるのはちょっと面白くないので(笑)、もう1つ言葉をそこに組み合わせようということになったんですよ。
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宝野:バンド名だとTHE VELVET UNDERGROUNDとかね。そういう雰囲気の言葉を探しながら、最初は"Zealot"っていう単語を組み合わせようかなとしてたんですけど、よくよく調べてみたら実は宗教的な意味合いもあったりするから、ちょっと避けることにしました。で、その後に思い至ったのが2007年に出した『Psychedelic Insanity』っていうアルバムのことだったんですよ。またここで"Insanity"っていう言葉を使うのもアリなんじゃない? と思ったんです。
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片倉:ちなみに、あの『Psychedelic Insanity』っていうアルバムは、ALI PROJECTが今のメーカーさんから出すようになって、今までで一番売れた作品なんですよ。そういうげん担ぎもあってこのタイトルにしたところもあります(笑)。
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-そんな"Psychedelic Insanity"を踏まえての"Underground Insanity"であるというのは、とても興味深いお話です。と同時に、本作には「ZAZOU通りの猫オンナ」という楽曲が収録されておりまして、これもALI PROJECTが創設したレーベル、ZAZOU RECORDとの関連性を思わせるタイトルでもありますね。
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片倉:そこは自然な流れでそうなったっていう感じかな。とはいえ、今回は、結構いろんなことが折り重なりながら『Underground Insanity』ができあがっていったところはあると思います。
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-なお、先程は"Underground"という言葉が浮上してきた段階で、片倉さんはすでに曲作りに着手されていたとのお話がありました。今作の中で最初に形となった楽曲は、どちらになるのでしょうか。
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片倉:それが、最初のうちは"やわちい"曲しかなかなかできなくて。去年の11月頃にまず出来たのが「Grand Bouquet」だったんですよ。そして、その次にできたのが4分の3拍子のリズムで作った「人形の家」。つまり、いずれも宝野があまり好んでは歌いたがらないタイプの曲が連続してできたことになります(笑)。
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宝野:そうね。ふんわりした軽い雰囲気の曲たちではあります。
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片倉:テーマ的な部分で"Underground"なところがあるかというと、そこはちょっとまだ定まっていなかったところもありましたね。でも、ある意味ではこの2曲が僕にとってはいいウォーミングアップになったんですよ。
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-もっとも、「Grand Bouquet」については、110年もの間フランスの城館内に置き去りにされていたという、オディロン・ルドンによる絵画"グラン・ブーケ"をモチーフに、アリカ様が歌詞を書かれていらっしゃいますので、俗世から隔絶されてしまっていた世界="Underground"として解釈することもできるような気はいたします。
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宝野:私としては、とにかく優しい歌詞にしよう、片倉さんが好きな世界にしようということを心掛けながら書きました。早い段階で曲は貰っていたんですけど、この世界を形にするのは少し難しかったですね。だから、順序としてはわりと最後のほうに書くことになってしまいました。
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-なんでも、城館内にあった16点の絵画の内15点はフランス国有のオルセー美術館所蔵となったそうで、"グラン・ブーケ"のみが2010年から三菱一号館美術館にて公開されているのだとか。
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宝野:その絵たちは本来シリーズ作品みたいになっていて、他は全てパリにあるんですけどね。"グラン・ブーケ"だけは日本で観られるんですよ。
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-"グラン・ブーケ"に限らず、ALI PROJECTの音楽世界は文化芸術との繋がりを持つものが少なくありません。今作の「人形の家」は、1800年代後半にヘンリック・イプセンが書いた、同題の戯曲を下敷きにしたものとなりますか?
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宝野:もともとこのタイトルにしようと思っていたわけではありませんでした。詞を書いていくうちに途中で"人形の家"と付けたら、イプセンのお話とも通じるような内容になるかな? と思い付いたんですよね。
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-しかしながら、この詞はわけあって家出をする主人公側ではなく、"置いていかれた側"の視点で描かれている点が特徴的ですね。
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宝野:戯曲のほうは家出をする主人公が、家庭の中で夫に人形扱いをされているみたいな話じゃないですか。この曲の詞に関してはとある女の子が"もうこんな家にいたくない"と都会に家出していって、飼い主? 持ち主? を失ってしまう人形の視点で書いてます。結局、その女の子は都会で自由にいろいろやるんだけど、やっぱりそこでも孤独を感じてしまって家に帰るみたいな流れの話です。曲調はワルツだよね?
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片倉:4分の3拍子とかワルツは大体いつもアルバムの中に1曲は入ってるんですけど、今回の「人形の家」は、"宝野さんがワルツを踊るミュージカル"のようなイメージで書いていきたかったんです。僕はアメリカの禁酒法時代とか、あの頃のスタンダード・ジャズが好きでね。ロバート・レッドフォードの出てた映画"華麗なるギャツビー"とか、あとはマリリン・モンローの出てた"お熱いのがお好き"とか、そういった映画のテーマ・ソングや主題歌みたいな感じもちょっと意識してました。
2025年10月15日 17点10分 2
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-それから、本作の幕開けを飾るのは、"不思議の国のアリス"を彷彿とさせるような歌詞世界が面白い「Underground Mad Tea Party」ですが、こちらを1曲目に選んだ理由もぜひ教えてください。
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片倉:この『Underground Insanity』は全10曲、ボーナス・トラックを入れると11曲ですけど、アルバムの曲順に対する考え方としては昔のアナログLPを意識していたんですよ。つまり、5曲目までがA面で6曲目以降がB面っていうふうにね。なおかつ、A面とB面はそれぞれ異なるテーマでまとめていくという形にしてあります。そうなってくると、A面の1曲目に入れたかったのはとにかく"カッコいい曲"だったんですよ。
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宝野:これはいかにもALI PROJECTっぽい感じの曲だよね。歌詞は、まず先にタイトルの"Underground Mad Tea Party"という言葉が思い浮かんだので、そこから広げていきました。ちょうど"Underground"っていうのも入ってるし、今回はこれが1曲目でいいんじゃない? となったんです。内容は地上で戦争が起こってたり、人が死んでいたりするようなときに、地下室でお茶会をしているっていうお話です。
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-アリカさんはそれをストーリーテラーの視点で歌われたことになりますか?
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宝野:これはお茶会の主催者の視点かな。歌詞の中で具体的に"アリス"っていう言葉は使ってないんだけど、ここでは"あなた"が"アリス"なんです。
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-そうした不可思議世界が広がったかと思うと、2曲目に来るのは勇ましき面持ちの「日本男子、獅子奮迅」です。これはALI PROJECTの"大和ソング"シリーズの最新作であると同時に、『Underground Insanity』のリード・チューンともなるそうですが、この楽曲にその大任を任せることになった経緯はどのようなものだったのでしょうか。
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宝野:まず、さっき片倉さんの言っていた"A面"のテーマというのは、基本的に勢いのある曲たちを集めたって意味なんですよね。
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片倉:そうそう。5曲目までは今回どれもロックだと思ってください。
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宝野:だから、曲同士に物語としての繋がりはあまりないんですよ。特に、この曲はアンダーグラウンドとか地下のイメージも関係ないし。だけど、それでも今回「日本男子、獅子奮迅」をリード・チューンにしたのは、強いインパクトを持った曲になったからですね。言いたいことを言い切ってます。
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-不協和音を効果的に使われているところも、さすがのALI PROJECTならではです。
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片倉:不協和音と面白い転調がいっぱい入ってます。まさに、この曲は、宝野さんがこれまでいろいろ作ってきた"大和ソング"の系列に加わるものとして作りました。
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-このたび、アリカ様が「日本男子、獅子奮迅」の歌詞を書かれることになられたきっかけは、何かあったのでしょうか。
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宝野:これはともかく、四字熟語の"獅子奮迅"という言葉を使いたかったんです。去年の暮れあたりに佐賀旅行をしたとき、泊まっていたホテルで見かけた中学校の運動部っぽい男の子たちが"獅子奮迅"って書いてあるジャージを着てたんですよね。みんな坊主で細かったから野球部かもしれないし、コーチみたいな人は柔道部っぽい感じもしたんだけど、その書いてあった言葉がとてもカッコいいなと感じてしまって。"よし、次の「大和ソング」ではこれを使おう!"と思ったのがきっかけでした。で、この曲ができてきたときに"おぉ、これだ!"と思ってこの歌詞を乗せていったんです。
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-タイトルが"獅子奮迅"だけではなく、"日本男子、獅子奮迅"となっているあたりもポイントですよね。
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宝野:それはもう、日本男子に向けて歌ってますから。特に、佐賀で見た少年たちは都会の子たちと違ってすごく純朴な感じがしたんですよ。そのまま清らかなまま、たくましく大きくなっていってほしいなという願いもここには込めてあります。ただ、今の時代って男は男らしくとか、女は女らしくとか、そういうことをあんまり言っちゃいけないみたいな風潮があるじゃない?
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-国内外問わずにジェンダーの押し付けはよろしくないという流れになっているところは、あるように思います。"男のくせに"、"女のくせに"等もほぼ禁句となっていますし。けれども、ここでのアリカ様は"母なる優しさと/父なる強さと"という表現をあえて使っていらっしゃるわけですね。
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宝野:そういうことです。私はどこかから叩かれるとしても堂々と言いますよ。男は男らしく、女は女らしくでいいじゃないですか。あるいはそういうカテゴリに入りたくないという人がいるなら、ゲイはゲイらしくでいいわけだし。男か女か自分では分からないと言うなら、それもそれでいい。でも女らしくありたい、男らしくありたいっていう人に対してまで、"それはおかしい"という意見が外野から出ることのほうが、よっぽどおかしいんじゃないかしら。
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-たしかに。昨今、LGBT界隈では"逆にそんなにLGBTがどうこうとわざわざ騒いでほしくない。放っておいてくれ"という意見が出ているとの話も耳にします。
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宝野:自分がどんなふうにありたいかっていうことは大事だけど、他者に対してその人の姿勢を否定するなんて本当におかしい話! そして、誰がなんと言おうと大和魂はこれからも大切にしていきたいです!!
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片倉:まぁまぁ、ちょっと落ち着いて(笑)。ちなみに、この歌詞は7月に靖国神社で開催された"みたままつり"の奉納ぼんぼりに書いて納めたんですよ。
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宝野:そうそう、刀剣乱舞の絵も一緒に描いてね。「日本男子、獅子奮迅」はちょっと暑苦しいところもある曲なんですけど、これを聴いて日本男子にはすくすくと育っていただきたいなと、私は母のような気持ちでおります。
2025年10月15日 19点10分 3
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結局はアリプロってずーっとアングラなんですよね(笑)
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-凛々しき「日本男子、獅子奮迅」の次に来るのはシャッフルのリズムが小気味よい「暗黒IDOL」ですが、こちらは曲調ありきで仕上げていったものになりますか?
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片倉:これはずばり「暗黒天国」(2007年リリースのシングル表題曲)を踏まえた曲になってます。
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宝野:ほぼ同じ曲みたいな(笑)。
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片倉:前作『若輩者』では"「亡國覚醒カタルシス」(2006年リリースのシングル表題曲)の次にそれっぽい曲を出してたとしたら?"という方向性で表題曲を作ったんですけど、あれが結構面白かったのもあって、今回もそういう試みをまたやってみた感じです。
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宝野:私、前から片倉さんに"「暗黒天国」みたいな曲作って"と何度も言ってたんですよ。やっと作ってくれました(笑)。
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-「暗黒IDOL」の歌詞には"グラグラアングラ"というフレーズが入っていますね。
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宝野:そこはアルバムのテーマである"Underground"を意識した部分です。地下室を1つの舞台として考えるなら、そこで歌ったり踊ったりしているアイドルたちというか、女の子たちのことも詞として描けるなと思ったんですよ。
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-「暗黒IDOL」とはいわゆる地下アイドルのことだったのですね。
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宝野:結果的にというか、結局そうなっちゃった(笑)。私、"地下アイドル"っていう言葉は根本的に嫌いなんですけどね。
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片倉:アリカさん、言葉には気を付けてね(苦笑)。
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宝野:えー。だって志が低すぎるじゃない? アイドルになりたいなら、もっと上を目指しなさいよ! と思うんだもの。地下でいいやというスタンスは"それでいいの?"って感じちゃう。
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-近年は、地下に限らずメジャーでもことごとくグループ売りなのが寂しいところではあります。
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宝野:ですよねぇ。なぜみんなもっと絶対的なアイドルを目指さないんだろう?
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片倉:そういう意味では、これは励ましの歌なんだと思いますよ。アリカさんなりのね。ってことで、この曲についてはこのくらいにしておきましょう(笑)。
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-承知いたしました(笑)。次のA面4曲目にあたる「不条理劇」はピアノから始まる大変ドラマチックな曲になっておりますね。
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片倉:ちょっと生意気な言い方にはなってしまうんですが、あまりポピュリズムには走らない曲を作りたかったんです。そういうものに対するアンチテーゼですね。僕はよく思うんですよ。どうしてこの世には世間に迎合したつまらない曲ばかりがこうも多いんだろう? って。もちろん、中には若くてかっこいい音楽家がいることは知っていて、彼等の存在に救われてるところもあるにせよ、自分でももっと新しい音楽を作りたいなとすごく思うんですよね。この曲は自分の中でのその気持ちを形にしたものです。まぁ、きっと僕もこんな生意気なことを言えるような歳になってきたということなんでしょう(笑)。
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-この曲はピアノの音色も素敵ですが、影の主役はベースのようでもあって、裏で曲を牽引する役割を果たしてくれているように聴こえます。
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片倉:そう聴こえるのはベースの音を少し歪ませてるせいかもしれないね。
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-絶妙なアンダーグラウンド感を醸し出しているのがベースの音だと思います。一方、アリカ様はこの「不条理劇」の世界をどのように作られていかれたのですか。
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宝野:最初はアングラ劇団みたいなイメージから、"anti-théâtre"っていうタイトルを付けていたんですよ。でも、劇場とか劇団みたいな言葉はこれまでにもいくつかの曲でタイトルに使ってきているし、ここではそれらとは少し違う表現をしたいなと思っていたら、気が付いたときにはこの詞と"不条理劇"というタイトルが全てできあがっていたんです。時間自体はかなりかけているんですけど、その過程は覚えていなくて、いつの間にか素敵な歌詞ができていたという奇跡が起きました。たまにだけどそういうことがあるんですよね。そして、私はこの曲も歌詞も大好きなんです。今まで何百も書いてきた歌詞の中で、ベスト5には入るくらいかも。これだけのものが書けるなら、また次もいけるなっていう気持ちにもなりました。
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-さて。いわゆるA面の最後を飾るのは「地下牢(ダンジョン)から愛を込めて」です。
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片倉:これは本当に地下に潜ったような暗い曲にしたかったんです。ドロドロとしているので、宝野さんは絶対"好き"と言ってくれるだろうなという狙いのもと作りました。
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宝野:ほんと、すごく好き(笑)。プログレっぽさもあっていいんですよ。歌詞は地下牢のイメージがすぐ浮かんできて、私はゲームってそんなにしなくて"ドラゴンクエスト"で止まっているんですけど、地下で蠢いて最後の鍵を探すとか、そういう場面を想像しながら書いていきましたね。
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-となりますと、アングラ感の満載な「地下牢(ダンジョン)から愛を込めて」でA面を締めくくった後、B面1曲目として、「ZAZOU通りの猫オンナ」を選ばれた理由がなんだったのかも気になります。
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宝野:雰囲気をがらりと変えるにはこの曲だよねってなりました。
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片倉:今回、B面をまとめていくのは非常に難しかったんです。A面はまだ統一感があると思うんですけど、(B面は)みんな毛色が違う曲ばっかりなんですもん(笑)。
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宝野:さっきも話に出ていた通り、もともと私たちはZAZOU RECORDというレーベルを持っていて、この"ZAZOU通りの猫オンナ"はそこからタイトルを付けたものになります。でも、別にこれは"サンジェルマン通り"でも良かったんですよ。
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片倉:というか、"ZAZOU通り"ってサンジェルマン通りのことを僕等が勝手にそう呼んでるだけだからね。1940年代のパリには"ZAZOU"っていうのがいて、彼等はパリに侵攻してきたナチスに抵抗していた人だったんです。それこそ、彼等の存在自体がアンダーグラウンドだったわけです。
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宝野:地下に潜るしかなくてそこでジャズとかやってたんですって。
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片倉:と言っても「ZAZOU通りの猫オンナ」は別にジャズではなくて、わりとエレクトリックな感じの音になってるでしょ? これは僕からすると、どこのものともしれない未来的な民族音楽なんです。
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宝野:詞に関しては、これを書くまでに今回はもう何曲分か書いてしまっていたので、次はどうしたらいいんだろう? って状態になっていたんですよね。それで、片倉さんに"どうしたらいい? 何かアイディアない?"って聞いたら"猫オンナがどうのこうの"って言われて、それでこういう内容になりました。
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片倉:"猫オンナ"っていうのは、レジスタンスのことね。ナチスがパリに進攻してきたときに、サンジェルマン通り=ZAZOU通りの地下にあるライヴハウスをアジトにして暗躍していたという設定で、女性スパイのことを言ってるわけ。
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-なるほど。"Je suis ton assassin"という一節があるのはそういうことでしたか。
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宝野:"assassin"っていう言葉は、女性の場合でも男性名詞のままでいいんですって。今回それを勉強しました(笑)。
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-それから、その次に来る「GARAKUTA」は本作の中で最もロック感の強い音像に仕上がっているように聴こえます。
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宝野:ロックというか、これはロックンロール寄りよね。感覚的には前作でやった「若気ノ至リ」の女の子版みたいな雰囲気だなと思います。
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片倉:僕の中ではこれ、GARBAGEのイメージなんですよ。紅一点の女性ヴォーカリストがいるあのバンドのことを、半年くらい好きだったことがあって、この曲はその頃をちょっと思い出しながら作りました。といっても、できた曲自体は全然GARBAGEにはならなかったですけどね。ハモンド・オルガンっぽい鍵盤も含めて全ての音が歪んでます(笑)。
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宝野:曲タイトルを"GARAKUTA"にしたのは、それもGARBAGEのことを意識したからなんですよね。"GARBAGE"はゴミのことだから。ゴミ、散らかってる、ガラクタみたいな感じで連想していった感じ。あ、でもガラクタって漢字で書くと"我楽多"と書くこともあるんですよ。そこで"いや、ガラクタって素敵なものなんだ"って思考が切り替わりました。
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-他人には分からないとしても、我にとっては楽しみを多く与えてくれる大切なものたち。それが"我楽多"だということなのでしょうね。
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宝野:私の部屋なんてまさに"我楽多"ばっかり! 断捨離の得意な人が"ときめかないものから捨てましょう"なんて言ってるけど、全部ときめくものしかないの(笑)。
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-かくして、今作『Underground Insanity』のエンディング(※通常盤ボーナス・トラックを除く)で響くのは「out of the blue(instrumental)」です。片倉さんはこの曲にどのような想いを込められましたか。
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片倉:僕は今わりと自然の多い場所で暮らしているので、窓から鳥が飛ぶ姿や木々がよく見えるんですよ。この曲は鳥が風を受けて飛ぶ場面から発想したものですね。晴れ渡った空から、突然前触れもなく予期せぬ素晴らしい出来事が起きますように、という希望と願いをここには込めました。
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-『Underground Insanity』というアルバムは、この曲が最後に置かれることで救いを見いだすことができるものになったように感じます。
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片倉:そうしたかったんですよ。地下に潜ってるだけじゃダメで、レジスタンスも勝ち残っていずれは地上で生きる日を獲得しないとね。日本男子たちも"凱歌揚げて高らかに"生きてほしいし、"暗黒IDOL"たちにも本当の生き甲斐を見つけてほしいよねっていうことなんです。
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-加えて、通常盤には、ボーナス・トラックとして「パラソルのある風景2025」も収録されておりますが、なんでもこちらは、もともと1988年の1stアルバム『幻想庭園』に収録されていたものなのだとか。
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片倉:そもそも曲を作ったのはALI PROJECTが始まる前でしたし、インディーズでの名義も当時は"蟻プロジェクト"だったんですよ。
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-今回改めてこの曲と向き合われたときに、何か感じられたことはありましたか?
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片倉:今や譜面もデータも何も残ってなくて、あったのは歌入りのオリジナル音源だけだったんですけどね。これこそ若気の至りだなぁということは感じました。新たにアレンジするならオーケストラみたいにしたほうが分かりやすいかなとか、ジャズっぽくするとかの手法があったものの、聴き直してみると発見がいろいろあって。思っていた以上に複雑なことをすごく上手にやってんだなっていうことを、自分で再評価することができたんですよ。それが我ながら嬉しかったです。 あと、この曲は、数年前にライヴでやろうとしたときに譜面もカラオケもないんで却下したことがあったんですね。この曲自体は今回のアルバムとは全く関係のないものなんですが、再来年"ALI PROJECT"になって35周年と考えると、今後ライヴでやるためにもこのタイミングでリアレンジしておいて良かったなと思います。
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宝野:この曲のことを好きだという人って実は多いしね。私もこの曲はライヴでやってみたいと思っていたので、今回リレコーディングできたのは嬉しいです。そして、当時ライヴでやったときは、この曲で途中、探偵役のキャストの人がステージに上がってくるみたいな前衛的な演出もしていたので、そこはアングラ感という意味で今回の作品との繋がりもちょっとあるかもしれません。結局はアリプロってずーっとアングラなんですよね(笑)。
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-そうしたALI PROJECTの真髄は、12月25日に、ヒューリックホール東京にて開催される"ALI PROJECT 2025~Underground Insanity Christmas"でも、存分に感じさせていただけそうで楽しみです。
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宝野:別にクリスマスを狙ったわけではなかったし、平日なんですけど、結果的にクリスマスになってしまいました。
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片倉:会場の空きが全然見つからなかったんですよ(苦笑)。
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宝野:当然『Underground Insanity』の曲たちもやりますが、アリプロには1曲だけクリスマスの曲(1995年リリースのアルバム『星と月のソナタ』収録曲「彼と彼女の聖夜」)もあるので、それもアンコールとかでやってもいいかなって思ってます。
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-そのライヴが終わると程なく2026年がやってまいります。新譜が完成したばかりではありますが、最後に来年以降に向けたALI PROJECTとしての展望もお聞かせください。
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片倉:宝野さんがね、作り終わったばかりなのに"次の曲をまた書きたい"ってすでに言ってるんですよ。
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宝野:これまではいい形でアルバムを作り終われると、"しばらくはもういいかな"って感じることが多かったんだけど、今回の『Underground Insanity』はとても好きな作品になっただけじゃなく、この先もまだまだあるじゃん! みたいな気持ちになったので来年もまた作りたいんですよね。再来年が35周年だから、来年1年休んでから35年に向けて動こうかなと思ってたけど、今は別に休まなくてもいいやって考えてます(笑)。
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2025年10月16日 10点10分 5
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