level 7
中野梓喵
楼主

――だが、その时。渡瀬の背筋が、ぞくりと震えた。
「……っ」
非常阶段の下の暗がり。
登る时には注意して
见なかった死角。
――そこに何かが、
いる気がしたのだ。
「……谁だ」
鼓动が急速に早くなる。
「谁だ!」
それは床に伏せているようだった。
「……!?」
恐る恐る、渡瀬が阶段の阴をのぞき込んだ时――
そこには、信じられないものがあった。
「……そんな」
渡瀬の口から、虚ろな声が漏れる。
崩れた非常阶段の瓦砾の中。
そこに倒れている小さな体。
光を失った眼。
それが渡瀬を见据えている。
「……ユウリ!?」
渡瀬はそれに駆け寄った。
先ほど感じた恐怖心などは、一瞬で消えてなくなっていた。
「ユウリ! ユウリ!」
叫んでも彼女は、微动だにしなかった。
瞳孔の开き切った眼が、ぽっかりと虚空を映している。
呼吸をしていない。身体が冷たくなっている。
それは纷れもなく――ユウリの、死体だった。
「バカな……どうして……!」
「どうして、こんなことに……!?」
その问いに答える者はいない。
あの时の言叶の意味も、恐怖感の正体も、何もかもわからないまま――
ユウリは、物言わぬ姿に成り果てていた。


