风早呱太
风早呱太
关注数: 3
粉丝数: 4
发帖数: 2,354
关注贴吧数: 13
是谁的包装完美无瑕 原来是我啊
1 秋晴れの日に桜井の聖林寺から談山神社へぬけた。車を降りて小さな川を渡り、畑の中を歩いてゆく。その静かさが、大分前におとずれたときとひとつも変わっていないのがうれしかった。 石仏が草の露にぬれている。 聖林寺は、およそ寺らしくない逞しい石垣の構えの上にある。がっしり組みあげられた苔生す石垣の上に築地の塀、そして小さな山門がのぞく。寺というよりも城砦の感じが先に立つ。 石段を上って山門のところでふとふりかえると、曇一つない群青の空の下で畑は黄色に輝き、そのむこう緑の丘陵の彼方に、紫色にかすむ、なだらかな三輪山も見える。大和路屈指の美しい仏、十一面観音は、来るごとに少しずつちがった印象を与えてくれる。あるときは男性的に雄々しく、あるときは、女性的にやさしく……。今度はなぜか指の美しさにひかれた。ふっくらと丸みをおびて、風のそよぎにもふと表情を変えてしまいそうな指先の繊細さに長いこと私はみとれてしまった。 さして広くない庭だが、樹々の緑が美しい。からかえでとか聞いためずらしいもみじの紅葉が美しかった。 が、今日はこのあと、さらにすばらしい紅葉の饗宴に身をひたすことになった。多武峰談山神社の全山燃えるばかりの紅葉にめぐりあうことができたのだ。都塵に染まない紅葉の色というものは、こんなに美しいものか。しかもそれぞれの樹々に紅葉の遅速があって、それがみごとな色のハーモニーをかたちづくっている。ところどころには思いがけない若い緑色がまじっていたりして、それがひどく新鮮な感じを与える。 はじめ、この紅葉の海に足をふみいれたとき、私はひそかに、一人できたことを後悔した。 「まあ、ごらんなさい。あの透けるような紅のきれいなこと」 「うすいオレンジ色もきれいね」 お互いに嘆声をあげながら歩いていったら、どんなに楽しいことか、という気がしたのだ。 が、紅葉の色にからだの中まで染まりそうになって歩いているうち、これだけの紅葉を独り占めするのも、一つのぜいたくなのだ、と思うようになった。 談山神社は、地形の高低を利用して、がっしりした建物が木の間がくれに白い壁や大屋根をのぞかせている。紅葉の色で染めたような朱塗りの社殿と白い壁が美しい。この朱塗りや金箔のけんらんさから、ここはみずから「関西の日光」と名のっているらしいが、これだけは、むしろ無用のつけたりだという気がした。 ここには日光の俗悪な装飾過多やせせこましさはない。むしろおおどかで、山気は澄んでいる。参道に立つ鎌倉時代の八角の摩尼輪塔ひとつとってみても、その風格は遠く日光のおよぶところではない。 社殿を降りてくると、水の音が急に耳につきはじめた。境内をめぐるそのさわやかな流れにも、紅葉は惜しげもなく散りこんでいて、ひときわあざやかな一枚はついと流れにのって一回転すると、また次の渦に巻き込まれていくのであった。 中央文庫「わが町わが旅」による 根回し 会社や団体などで議決によって何かを決める場合、あらかじめ出席者に個人的に相談など打ち合わせをしておいて、会合の席で意見が対立したり、感情的に紛糾しないようにすることを根回しという。 衆議は、本来出席者が自由に意見を出し合って討議するのが目的だが、多数決よりも全会一致方式を好む日本の伝統では、議決の後の感情的な対立を避けるために、会議の始まる前に意見の調整を済ませておくのが賢明とされている。そのため、会議は形式的に決定を確認するといった場合が少なくない。 根回しという言葉は大木を移植するために木の周囲を掘り下げ、小さな根を切断し、藁縄で根の部分をくくって、移動しやすいようにする準備のことで、これが比喩的に会社などでの意見調整の意味に使われるようになった。
1
下一页