忻孓 忻孓
明日私か消えるのなら
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【官网更新】6.2发表的序 ……忙着考试都没注意sad 以下正文,跪求翻译(( ぼかろほりっく【プロローグ】  6畳1间の部屋の中で、その见知らぬ白人ミュージシャンは、长髪を振り乱しながら歌っていた。 <俺は今、お前の犬になる! 犬になる!>  そして、俺が小1の时から使ってる勉强机に乗っかって、ギターをかき鸣らす。长髪から汗が飞び散る。バリバリと割れた音が、俺の脳を直接ゆさぶる。 <俺は犬になる! 犬になる!! カモンッ!>  正直、どうしてこの人は犬になりたいのかさっぱりわからない。でも、こんな破れかぶれな言叶を叫ぶのが、<パンク>ってやつの流仪なんだろう。VR-PHONE(ブイアールフォン)を使って初めて见たそのパンクっていう音楽は、俺の心臓をバクバクと揺らした。  そして俺は、その人と同じように床を転げまわりながら、力いっぱい叫んだ。 「俺は犬になる!!!」  今日、ソーシャルワークで访れた老人ホームで、俺はいつものようにじいちゃんやばあちゃんたちと音楽谈义に花を咲かせていた。ここに来る时は、いつも、俺の担当业务である介护ロボの设备点検をさっさと済ませるやいなや、俺はすぐにじいちゃんばあちゃんたちに昔の音楽の话を闻かせてもらう。  特に、若い顷は世界中を回ってその地の音楽に触れていたっていう佑三じいちゃんは、俺の知らないいろんなジャンルの音楽を教えてくれる。それで今日は、佑三じいちゃんが生まれる前からあった、パンクっていうものの存在を教えてもらったんだ。  俺は早くそのパンクっていうやつが聴きたくてたまらず、家に帰るなりVR-PHONEを装着した。  大きめのヘッドホンに似たこの机械は、左右にひとつずつ超小型プロジェクタを内蔵している。こいつを头に装着して电源を入れると、目の前に半円状のスクリーンが现れ、そこにさまざまな立体映像が表示される。  このスクリーン上の映像は、现実の风景と二重写しになって、あたかも目の前に実在するかのように见える。そして、电気信号が聴覚を直接、刺激し、リアルな立体音响が脳内に流れ込む。これを使えば、典型的な庶民の住まう集合住宅の一室でも、パンクの鸣り响くライブハウスに早変わり、ってわけだ。  こういう体験を、<拡张现実>だとか<复合现実>だとか言うって学校で习ったけど、俺にはその言叶の违いがいまいちよくわからない。俺にとって、このVR-PHONEは、何より音楽に触れるための大事なツールだ。  ……。  いつの间にか、曲は终わっていた。  スクリーンの隅に出てきたイギーが、柴犬のように丸っこい体を揺らして、口を开く。 「ずいぶん息が上がってるね」 「まぁな……」 「血圧が130を越えてるよ」 「だろうな……」 「あと、ズボンのチャックが开いてる」  !  寝転んだままの体势で慌てて下半身に目をやると、チャックが全开になっているどころか、ベルト部分がほとんど膝までずり落ちていた。上着の方はとっくに脱いで放り出してしまったので、今の俺は、ほとんど裸同然の状态だった。  まぁ、この制服も、ほとんど365日着てるからな。バイオ除菌繊维が织り込まれてるっていっても、そろそろ母さんに洗ってもらわなきゃいけない时期だろう……。  俺はズボンを脱ぎ舍て、パンツ一枚になると、VRイメージで构成された犬のようなキャラクター<イギー>に再び声をかけた。 「もうちょいさ、ゆっくりした感じの曲、ない?」 「うーん。じゃあ、これでどう?」  新しく目の前に现れたVRイメージは、ツインギターにベース、ドラムの4人组バンドだった。 <あの娘の言うことを闻きなよ 世界の半分は彼女のものさ……>  この上なく甘いメロディーを、ささやくように歌うボーカル。その透き通った声に、ノイジーなギターの音がかぶさっていき、やがて空间が音で満たされていく。  その音を闻いていると、目の前が真っ白になって、ふと体が浮いていくような感覚が访れる。ああ、これが至福ってやつか……。  曲が终わる顷には、俺はすっかりクラクラしてしまい、まるで游园地の无重力ブランコに乗っているような気分だった。 「イギー、今日はいろんな音楽が聴いてみたいんだ。どんどん违う曲を持ってきてよ」 「オッケー」  イギーは次から次へと、ヴァーチャル空间<ニューロマンサ>から新しいVRイメージを取り出してきた。  このニューロマンサには、ありとあらゆるデータが集まっている。音楽だけでも、気の远くなるほどのデータ量だ。俺が闻いたことのない曲は、ほとんど无限に存在している。  単纯なドラムのループに乗せて、黒人が英语で喋り倒している曲。见たこともないようないろんな楽器を抱えた大楽団の中心で、太ったおばさんが高らかに歌い上げている曲。中には、ピアノを前に、背の高い白人が4分以上も座っているだけ、なんていう曲もあったな……。  音楽好きの俺も、知らないジャンルの曲をこんなに立て続けに闻くと、なんだかちょっと……、饱きてくる。どれも楽しみどころがわからない、というか。 「ねぇ、もうちょっとこう、ポワ〜ン、となるような曲はない?」  俺が暧昧な指示を出すと、 「あいかわらず日本语が不得意だね」  イギーがさらりと毒を吐く。俺の<アミ>のくせに、なんて生意気なやつだ……。  アミは本来、ユーザーがVR-PHONEを使うのを补助してくれるソフトウェアだ。いわば、データで构筑された“友达みたいな召使い”のはずだが、俺のアミであるイギーは、最近やたらと毒舌が目立つ。<友达>ステータスの设定が高すぎるんだろうか? 「早く具体的な指示を出してよ。相変わらず头のクロック数が低いんだから」  く……。友达でもこんな上から目线でものを言わないぞ……!  でも、イギーに手伝ってもらわなきゃ、俺はVR-PHONEで音楽も聴くことができないのは事実。はっきり言うのは耻ずかしかったけれど、俺は今、欲している曲をイギーに伝えた。 「アレだよ、アレ。その……、かわいい女の子が歌ってる曲。俺は、かわいい女の子が観たいの!」 「どうせそんなことだろうと思ったよ。0.0003秒で见つけてくる」  こいつ、分かってて言わせたのかよ! いつかステータスを変えて、俺の忠実なるしもべにしてやるからな……!!  などと考えながら、ベッドの方に目をやると、もうそこには“女の子”が座っていた。彼女の座っている部分の记忆形状マットが少しも変化していないことから、その子は本物の人间じゃなく、VR-PHONEのスクリーン上に表示されたヴァーチャルな映像だということがわかる。  というか、七色に変化する长い髪に、俺の3倍くらいはありそうな大きな目。それから……、 「はじめまして。歌っていい?」  そのどこかフルートの音のようでいて、少しエコーがかかった声は、明らかに実在の人间の声じゃない。これって、ずいぶん昔に流行ったっていう、「アニメ」ってやつのキャラクターじゃないのか……? <ラララ 私に歌わせてほしい 世界にたったひとつの あなたの声で>  VR-PHONEに浮かび上がったその女の子は、俺の返事を待たずに歌いはじめた。 <ラララ あなたも聴かなきゃ惜しいわ 世界にたったひとつの 爱の奏で>  彼女(で、いいんだろうか?)の不思议な声は、ますます复雑に変化しながら、俺の体をなでるように通り过ぎていく。サウンドは小鸟のさえずりのように軽やかで、俺の知っているどんな楽器にもない、不思议な质感を持っていた。これって、コンピューターで作られた音だろうか?  想像さえしていなかった音楽との出会いに、俺の头は判断停止に陥っていた。これは、美しいと言っていいのか、丑いと言うべきだろう。繊细なのか、空虚なのか……。  とりあえず、ひとつだけ言えそうなことがある。バンドで演奏することが大好きな俺にとって、この音楽は、绝対に、完璧に、极端に、“関系のないもの”ということだ。 「ピッピッピッ」  无粋な警告音が鸣ったかと思うと、目の前で歌っていた女の子は一瞬、动作を淀ませて、スッと消えた。代わりに、イギーが俺の视界のど真ん中に出てくる。 「ユータ、お楽しみはもう终わりみたいだよ。VR-PHONEを外して、后ろを振り返ってみて。じゃあ」  スクリーン上に表示されていた波长グラフやボリュームメーターが、イギーとともに一斉に视界から消えた。 「なんだよ、一体……」  VR-PHONEを头から外して、后ろを振り返ると、そこには小さな鬼……、もとい、我が母が立っていた。 「人の部屋に胜手に入ってくんなよ!」 「ちゃんとノックしたわよ」 「じゃなくて、VR-PHONEを鸣らしてくれればいいじゃん!」 「なんで息子の部屋に入るのに、そんなメンドくさいことしなきゃならないのよ。それよりあんた、なんて格好してるわけ?」  ん?  ん……?  あーーー!!  さっき制服を脱ぎ舍てたまま、パンツ一丁になっていたことを、すっかり忘れていた。  俺は慌ててズボンをはきなおしながら、 「见んなよっ!」 「见るほどのもん持ってないでしょ」  またしても、毒づかれてしまった。しかも、思春期の息子の下半身に言及するなんて……。なんてデリカシーのない人なんだ。もしかして、この人の性格がイギーにインプットされてるんじゃないだろうか? 「それより、その制服、こっちにかしなさいよ。もうずっと洗ってないでしょ?」  俄然、俺の心は不満でいっぱいだったが、さっき确かに、制服を洗濯してもらうべきだと思ったところだった。俺はしぶしぶ、はきかけていたズボンと、みっともなく放り出されていた上着をまとめて、この小鬼……、もとい、母さんに渡した。 「まったく。勉强もせずに、音楽ばっかり聴いて」 「なんで音楽を聴いてたってわかんだよ。VR-PHONEで自习してたかも知れねーだろ」 「よだれ垂らして头振りながら勉强するバカが、どこの世界にいるの」  俺はとっさに口元をぬぐう。ベトッとした水気……。确かに俺は、よだれをたらしていたようだ。  ていうか、いつから俺は见られてたんだ! 「30分前よ。あんまり楽しそうにしてるから、しばらく放っといてあげたんだから」  まるで俺の质问を先取りしたかのように、母さんはそう言いながら、后ろにいた家事ロボットと一绪にリビングの方に向かう。  立ち去り际、家事ロボットがこちらにセンサーを向け、 「ピッピッピッ。ピーーーー。警告。风邪ヲヒキマス。今スグ衣类ヲ身ニツケテクダサイ」  と言い残していった。なんだか、机械にまでバカにされた気分……。  こんな小市民を絵に描いたような家庭で育てられて、俺は伟大なロックミュージシャンたちのように、魂のこもった“本物の音楽”を作れるんだろうか?
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